2009年5月10日(日)「しんぶん赤旗」
米に空爆中止要求
アフガン大統領“民間人被害出すだけ”
【ワシントン=小林俊哉】アフガニスタンのカルザイ大統領は、八日放映の米CNNテレビのインタビューで、米国に空爆を中止するよう要求しました。アフガン当局によれば、米国主導の多国籍軍によるアフガン西部ファラー州への空爆で、百四十七人の民間人が死亡しています。
カルザイ氏は「われわれは空爆の中止を要求する」と主張。「タリバンや重要なテロリストを何人殺すためであろうとも、事故であれなんであれ、民間人の死傷を正当化することはできない」と厳しく批判し、「空爆はテロとのたたかいで効果的ではなく、民間人の死傷者を出すだけだと強く確信している」と述べました。
民間人の被害がタリバンの手投げ弾による可能性があるとする米軍当局者の主張について、カルザイ氏は「民間人の死者は空爆によるものだという確実な言明を(アフガン)政府から受けている」と断言しました。
オバマ米大統領は七日、民間人の被害を防ぐために「あらゆる努力」を払うと述べましたが、米軍の軍事作戦による民間人被害は増え続けています。
ゲーツ米国防長官は、訪問先のアフガン・カブールで七日、「われわれにとって決定的なことは、アフガン国民を守るために駐留しているのであって、傷つけるためではないと(アフガンの)人々が確信することだ」「民間人死傷者が出れば、この点を崩すことになる」と述べています。オバマ政権が進める軍事作戦の強化が、逆に状況を悪化させる事態となっています。