2009年5月8日(金)「しんぶん赤旗」
イスラエル軍の攻撃
国連調査委が批判
【カイロ=松本眞志】昨年末からのイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦中に国連施設が攻撃を受けた問題で、国連の調査委員会は六日までに、真相究明の対象になった九件のうち七件は「イスラエル軍の軍事行動により引き起こされた」と批判する報告書をまとめました。
報告は、イスラエル軍が今年一月に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が経営する学校や関係車両、UNRWAの施設の建物などに砲爆撃を加え、多くの市民が犠牲となったことなどの経過を明らかにしています。調査団はこれらの攻撃を「著しく無謀な行為」であったと批判。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、イスラエルに千百万ドル(約十一億円)の損害賠償を求める方針を表明しました。
これに対し、訪米中のイスラエルのペレス大統領は六日、潘事務総長との会談後、報告を「一方的だ」と退けました。イスラエル軍が市民千数百人を殺害して国連施設を故意に砲撃した事実には触れませんでした。
国連調査団は、マーティン元アムネスティ・インターナショナル事務総長を団長に、潘事務総長もメンバーとなって今年二月に活動を始めていました。