2009年5月2日(土)「しんぶん赤旗」

エジプトが「豚25万頭処分」

FAO“誤りだ”


 【カイロ=松本眞志】国連食糧農業機関(FAO)は二十九日、エジプト政府が新型インフルエンザの国内感染に対する予防措置として国内の豚約二十五万頭の処分を決定したことを「完全な誤り」だと指摘しました。FAOのジョセフ・ドメネク獣医畜産部長は「(今回の)豚インフルエンザは、人間のインフルエンザだ」と指摘。適切に食肉用に加工された豚肉から感染することはないと強調しました。

 エジプトでは、国教のイスラム教の教えから、国民が豚を食用とすることはなく、国内の一部で、外国人用などのために豚が飼育されています。養豚業者の多くは少数派宗教のコプト教徒だとされています。

 政府は処分する豚一頭につき百五米ドル(約一万円)の補償を行うと公約していますが、養豚業者はこれに反発。カイロ近郊の養豚業者は「豚を殺したら、この先どうやって生計をたてたらいいのか」「飼育している豚は清潔だ」と訴え、道路を封鎖して政府関係の車両の通行を阻止する事態も生まれています。



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