2009年5月1日(金)「しんぶん赤旗」
入学式直前に専門学校閉鎖
学費返還求め「会」結成
京都
調理師や鍼灸師などを養成する京都衛生専門学校(京都市南区)が多額の負債を抱え、入学式直前の四月二日に京都地裁から土地や建物の立ち退きの強制執行を受けて閉鎖された問題で、入学を辞退した人や在校生らが納入した入学金や授業料が返還されず、怒りと不安が広がっています。同校は、いまも授業が行われていません。
学費は新入生の場合、入学金(二十万円)と前期授業料を合わせて七十万円から百五十万円を納入。新入生を含む生徒数は強制執行の時点で約二百九十人とみられています。
四月二十九日夜には、学生や保護者らが「被害者の会」を結成し、京都市下京区で第一回総会を開催しました。
集まった約六十人が「お金が返ってこないと転入先にも入学できず、生活も苦しい。息子は期待に胸をふくらませていたのに、いまは学費を稼ぐためにバイト一色になった」、「学費を振り込んだ直後に強制執行され、学校がなくなった。学校側は、お金は返すと言ったが連絡がない」、「娘は精神的に不安定になり入院している」と次つぎに訴え、同校を運営する学校法人、京都衛生学園の吉川昌男理事長らを詐欺容疑で告訴することなどを確認しました。
同校は京都府が認可し一九七九年に設立。六年前の校舎移転から経営が悪化したとみられ、府は二年前に同校から再建計画の提出を受けていました。総会では、「府が認可した責任はどうなるのか」「府は持っていた情報をなぜ早く知らせなかったのか」など批判の声も相次ぎました。
日本共産党の前窪義由紀、山内佳子、西脇郁子の各府議が参加し、「認可した府の責任を本格的に追及したい」と述べました。