2009年5月1日(金)「しんぶん赤旗」

主張

第80回メーデー

雇用破壊はね返す決起の場に


 「貧困でお金はありませんが、労働組合で活動し、党の仲間に囲まれ、心は貧困ではありません。しあわせです」「人のあたたかさが身にしみた。自分と同じように『派遣切り』にあった人を助けたい」―日本共産党が四月二十五、二十六の両日開いた職場問題学習・交流講座は、明るく、確信に満ちた発言で大いにわきました。

 いま全国で、無法な雇用破壊へのたたかいが急速に広がっています。連帯を強め、この流れをさらに大きくしようではありませんか。きょうは一九二〇年の第一回以来、八十回目のメーデーです。

たたかってルールを

 メーデーはもともとアメリカの労働者が約百二十年前、八時間労働制の確立を求めて始まった国際的統一行動です。一日十二時間や十四時間の労働が当たり前だった時代、一日の三分の一は仕事に、三分の一は休息に、そして残りの三分の一は自分たちのためにと声を上げました。いまでは八時間を超えない労働は世界の常識です。

 メーデーは、働く人たちが生活と権利、平和と民主主義のそのときどきの切実な要求を掲げ、団結と連帯の力を示す一大決起の場です。ことしはなにより、大企業の無法な雇用破壊をはね返すたたかいの、総結集の場です。

 大企業の無法な攻撃を社会的連帯の力ではねかえし、人間らしく働くルールを築いていく。今日の労働者のたたかいは、メーデーの歴史に、鮮明に刻まれるものではないでしょうか。

 雇用破壊は、非正規の労働者に対する「派遣切り」「期間工切り」にとどまらず、正規の労働者に対しても強まっています。労働者は、「使い捨ては許さない」と、労働組合をつくり、団結し、企業との団体交渉や労働局・労働基準監督署への申請や申し立て、裁判闘争などに立ち上がっています。

 昨年秋からのわずかな期間だけでも、労働組合の新規結成が百十労組、既存組合への加入が百二十五組合にのぼるなど、結集した労働者は五千人を超え、かつてない闘争に発展しています。

 トヨタやキヤノンなど日本を代表する大企業が巨額の内部留保をためこみながら、無法な雇用破壊を強行しています。雇用破壊は労働者の命と暮らしを脅かすとともに、日本経済の前途を危うくする一大社会問題です。雇用破壊をやめさせるたたかいは、人間らしい労働のルールを打ち立てるとともに、日本の経済社会のあり方そのものを問うものです。

 なくせ失業と貧困、大企業は社会的責任果たし雇用と労働条件守れ、労働者派遣法の抜本改正、社会保障の充実など国民的な要求を総結集しようではありませんか。

新しい政治に向けて

 自公政府は、大企業の無法な雇用破壊をやめさせるどころか、新たな補正予算案を提出し、選挙目当ての「ばらまき」を入り口に、出口では消費税の大増税を押し付けようとしています。「外需頼みから内需主導へ」「大企業応援から家計応援へ」経済政策の根本的転換を実現し、消費税増税に反対していくことが重要です。自衛隊派兵の恒久化につながる「海賊対処」新法に反対することも大切です。

 なにより総選挙と都議選で日本共産党を前進させ、政治を変え、職場を変えるために、いまこそ力をあわせることを呼びかけます。



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