2009年4月24日(金)「しんぶん赤旗」
現代資本主義、社会主義への金融危機の影響で意見交換
日中両党理論会談続く
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【北京=山田俊英】二十日から北京で行われている日本共産党付属社会科学研究所の不破哲三所長一行と中国共産党との理論会談で双方は世界金融危機をめぐって意見交換を続けています。
二日目の二十一日、会談は引き続き、中国共産党中央対外連絡部(中連部)の陳鳳翔副部長が進行役を務め、不破氏は、マルクスの資本主義分析の有効性、帝国主義や新自由主義に関する諸問題について述べました。
不破氏一行は二十二日、中連部の劉洪才副部長と朝食をともにしながら懇談しました。午後、北京郊外の宿舎に移って両代表団が合宿しての交流になりました。
二十三日冒頭、中国側から陳氏が突発的な事情で会談に出席できなくなったことの説明があり、不破氏は「陳氏が現在の局面から早く健康に抜け出されることを希望する」と述べ、中連部の李軍政策研究室主任の司会で進行が始まりました。
二十三日の会談で不破氏は、中国側からの問題提起に答えながら、危機が現代資本主義と世界社会主義に与える影響について発言しました。
午前の会議では、まず危機と資本主義の問題について、不破氏は、既に起こっていた世界の構造変化をつかむことが重要だとして、二十一世紀を迎えた世界の構造的特徴を指摘。経済危機で米国の経済的覇権主義が根本的な打撃を受け、新しい力関係に相応する世界経済秩序の再編成が現実の課題になっていることを解明しました。
同日午後には、金融危機と世界の社会主義の問題にテーマを移しました。不破氏は、資本主義国内の社会主義勢力、すなわち革命運動の発展戦略の問題を取り上げ、その角度から日本共産党がとっている段階的な革命戦略、および現在の経済危機のもとでの諸闘争とその路線について説明しました。
続いて不破氏は、資本主義諸国における全般的な問題を取り上げ、二十世紀の諸経験に触れながら、その現在の状況をどう見ているかについて述べました。
その上で、日本共産党が進めているたたかいと綱領路線を説明しました。
不破氏は、世界で進む新しい変革を語る中で、中南米の左翼政権の評価と役割についても述べました。
中国側から、今日の金融危機の特徴や資本主義変革の路線、世界の構造変化と国民の政治参加をめぐって意見や質問が出され、活発な議論が交わされました。
二十四日の会談では引き続き社会主義をめざす国々の問題が取り上げられる予定です。