2009年4月23日(木)「しんぶん赤旗」
大企業に税金投入 道開く
改定産業活力再生法が成立
「金融・経済危機への対応」を口実に大企業への公的資金注入に道を開く改定「産業活力再生」法は、二十二日の参院本会議で、自民、公明、民主などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、社民党は反対しました。
一九九九年に成立した同法は、企業がリストラ計画を作成して国に申請し、基準を満たし承認されれば、会社設立や増資の際に課せられる登録免許税などの減税や金融支援を受けられるものです。
今回の改定では、こうしたリストラ支援策に加え、さらに一般事業会社に公的資金を注入することができるようにしました。
改定法をめぐる国会での論戦から、公的資金注入の仕組みの対象となる企業の要件は、従業員五千人以上の大企業であることが明らかになりました。また、公的支援を受ける大企業の経営責任を問う規定がないことも浮き彫りになりました。
日本共産党は、今、政治に求められているのは、「大企業に対し、蓄積した莫大(ばくだい)な内部留保を活用することで、雇用と下請け中小企業を守るように厳しく求める」(吉井英勝議員の反対討論、三日の衆院経済産業委員会)よう主張しています。
産業活力再生法 株主資本利益率(ROE)の向上を目的に企業のリストラ計画を減税などで支援する法律。一九九九年八月に自民、公明両党などの賛成で、二〇〇三年三月末までの時限立法として成立しました。〇三年、〇七年にはそれぞれ、適用範囲を拡大した上で期限が延長されています(現在は一六年三月まで)。改悪は民主党も賛成しました。同法によって、これまでに認められた企業の人員削減計画は約十万人。経済産業省分だけでも、登録免許税の減税額が千五百十億円にのぼります。