2009年4月22日(水)「しんぶん赤旗」
主張
政党助成金
税金分け取り まだ続けるか
自民、民主、公明、社会民主、国民新、改革クラブ、新党日本の七つの政党で、しめて七十九億八千五百五十万円。ことし一回目の政党助成金が交付されました。すべて国民の税金です。しかもこれは年内に交付されようとしている金額の四分の一で、最終的には三百十九億四千二百万円近くにのぼるというのですから驚きです。
深刻な経済危機で多くの国民が日々の生活の不安を募らせています。税金の分け取りにまったく反省がないというのは異常です。
企業献金と二重取り
政党助成金は一九九四年に衆院の小選挙区制といっしょに導入され、今年で十五年目にあたります。政党助成金の導入は、腐敗政治の“温床”と批判されてきた企業・団体献金の廃止と一体のはずでした。ところが実際には十五年たっても企業・団体献金は温存され、多くの党は税金から政党助成金をもらいながら、同時に企業・団体献金も受け取る、二重取りを続けています。政党助成金を続ける根拠は、この点だけでも失われてしまっています。
政党助成金は国民一人当たり二百五十円で計算されます。年間の交付額は三百億円を超します。十五年間では約四千七百億円にのぼります。文字通り国民の思想・信条や支持政党にかかわりなく国民から強制的に取り立てられてきたわけで、憲法が定める思想・信条の自由を踏みにじっているのは明らかです。日本共産党は、導入のときから政党助成金に反対し、受け取りを拒否してきました。
各政党への交付額は、国会議員の数と国政選挙での得票数に応じて、交付を申請した政党に交付されます。国会議員が五人未満の政党や国政選挙の得票率が2%に満たない政党には交付されません。それ自体不平等で、政治活動の自由を脅かす恐れがあります。
年ごとの増減はありますが、この十五年間に自民党に交付された政党助成金は二千二百七十七億円、民主党には千百九十億円、公明党には三百五十二億円などとなっています。二〇〇七年の政治資金収支報告書によれば、自民党は収入のうち企業・団体献金の割合が12・4%で政党助成金が65・6%、民主党にいたっては84・2%が政党助成金というありさまです。
もともと政党は思想・信条にもとづく自発的な結社で、その財政は党費と支持者の個人献金などでまかなわれるべきものです。主権者でなく参政権を持たない企業が献金するのは営利のために見返りを求めるからで、直ちに全面禁止すべきです。同時に政党が国民の思想・信条の自由を侵害する政党助成金に依存するのも、あってはならないことです。政党本来のあり方に反し、政党と国民との結びつきを弱め、国民軽視の政治を助長することにもなります。
政党が受け取り断れ
準大手のゼネコン「西松建設」から小沢一郎民主党代表や二階俊博経済産業相らが違法な献金を受け取っていた疑惑を機に、いま「政治とカネ」の問題が改めて政治の大問題となっています。企業・団体献金を禁止するとともに、政党助成金も廃止すべきです。
だいたい深刻な経済危機と財政破綻(はたん)の中で政党助成金だけは続けるというのが間違っています。国民の窮状を考えるならまず政党の側から受け取りを断るべきです。
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