2009年4月22日(水)「しんぶん赤旗」
核兵器廃絶のための協力で一致
志位委員長とマインベトナム共産党書記長が会談
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日本共産党の志位和夫委員長は二十一日、東京・赤坂の迎賓館で、日本政府の招待で来日中のベトナム共産党のノン・ドク・マイン書記長と会談しました。日本側からは市田忠義書記局長らが同席しました。
両党関係の発展
志位委員長が冒頭、「訪日を心から歓迎します」と述べると、マイン書記長は「再会を喜んでいます。志位委員長と二〇〇七年一月にハノイで両党関係や国際情勢について意見交換したことを思い出します」と応え、この間の両国関係がさまざまな分野で発展したことに触れながら、この発展に果たした両党関係の大きな役割を指摘しました。
志位委員長は「ハノイの会談で二十一世紀に両党関係を新しいレベルに引き上げることで一致し、平和のための協力と理論交流をすすめることを確認して以来、両党関係が豊かに発展していることを喜んでいます」と述べ、理論交流では東京とハノイで行われた両党の理論会談が豊かな成果を上げているが、引き続き発展させたいと述べました。
核兵器問題について
志位氏は、その上で、「ハノイの会談では、両党が世界とアジアの平和のために協力することを確認しましたが、この問題にかかわって、いまわが党が重視している問題について述べたい」として、核兵器問題についての立場を表明しました。
志位氏は、まず北朝鮮問題では、何より大切なのは核兵器のない朝鮮半島をつくることであり、六カ国協議を再開するために、国際社会が粘り強く、冷静な外交努力を尽くすことが大切だと述べました。
同時に、「こうした問題の根本的解決のためにも、地球上から核兵器を廃絶することが、いよいよ差し迫った課題となっていると思います」と強調。この点で、アメリカのオバマ大統領が、四月五日にプラハで行った演説の中で、米国が「核兵器のない世界」の実現を追求することを宣言し、世界に向けてその協力を呼び掛けたことについて、「この発言を歓迎します」と表明しました。そして、「アメリカから変化のメッセージが送られてきたことを重視しています。唯一の被爆国で核兵器廃絶を求め続けてきた政党として、国際社会に対して、核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして国際交渉を開始することを、強く求めていきたい。この問題で両党の共同した取り組みができればと願っています」と語りました。
マイン書記長は、核兵器廃絶についての「両党の立場は同じものです」と述べ、「被爆国としての日本国民の願いは、長い戦争のなかで核兵器こそ使われなかったが、枯れ葉剤による被害を受けたベトナムはよく理解できます。ベトナムはこの世界から核兵器と大量破壊兵器がなくなるまで、最後までたたかいます」と応じました。また、マイン氏は、「米大統領の発言に注目しています。人類にとって核兵器廃絶に向けての大きな機会になることを願っています」と述べました。
マイン氏は、北朝鮮の核問題の解決のためには、六カ国協議の再開が最善の方法であり、平和的・外交的な協議しかないと強調。「ベトナムはこの地域の非核化のために協力する用意があります。世界的な核廃絶に向けて努力をしたい。みなさんとさらに協議を進めていきたい」と表明しました。
志位氏は、「核兵器問題で一致が得られたことはうれしい」と述べるとともに、「ベトナム政府がこの間、日本で開かれている原水爆禁止世界大会に温かい連帯のメッセージを送り、国連総会では他のASEAN(東南アジア諸国連合)諸国とともに核兵器廃絶決議の共同提案国になっていることを心強く思っています」と発言しました。
世界経済危機への対応
マイン書記長は、世界経済危機の影響とそれに対応したベトナム政府の国民生活支援、貧困削減、インフレ抑制、農家・農村対策など、「国内の力を十分に発揮する」ことを重視した取り組みについて詳しく説明しました。
志位氏は、この危機への対応をめぐって、「資本主義諸国と、社会主義を目指す諸国との間で、危機への対応能力、打開能力が問われていると思います」と述べるとともに、「ベトナムが社会主義を目指す国ならではの成功を収めるなら、大きな世界的意義を持つことになります。ドイモイ(刷新)の成功を願っています」と表明しました。
会談には、日本共産党から志位、市田両氏のほか穀田恵二国対委員長、広井暢子女性委員会責任者、森原公敏国際局次長、笠井亮国際局次長、吉井英勝衆議院議員が、ベトナム側からファム・ザー・キエム副首相・外相、ゴー・バン・ズ党中央委員会事務局長、チャン・バン・ハン党対外委員長、ホー・ティエン・ギ書記長補佐官、グエン・フー・ビン駐日大使らが参加しました。
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