2009年4月20日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPRESS
民青同盟 私の居場所
毎日のランチタイム交流会が人気
新入生迎えるA大学班
日本民主青年同盟のA大学班は4月中毎日、新入生歓迎のランチタイム交流会を行い、「ここなら居場所になれる」と仲間がふえています。キャンパスを訪ねました。(染矢ゆう子)
「派遣村から見た日本」「世界の温暖化防止の取り組み」「資本主義を問い直す経済学」 …先輩と和気あいあい
「現場の人」に会える
お弁当をもって学生が集まります。「周りが友達と食べているなかで、一人で食べるのはさびしい。地方から出てきたから、食事会はありがたい」と話すのは1年の春樹くん。「派遣村から見た日本」「世界の温暖化防止の取り組み」「資本主義を問い直す経済学」などの新入生歓迎企画に欠かさず参加しています。
班の活動は週1回の班会議(班会)と月1回のフィールドワークが基本。昨年は弁護士に会いに行ったり、東京大空襲訴訟の原告に話を聞いたり。「学習サークルはいろいろあるけど、現場の人に会えるのは民青だけ」と加盟した理由を話します。
?講義 ゼミ バイト?
「木曜の2限、『従軍慰安婦』の新書で有名な先生の授業だよ」と講義を紹介したのは班長のあかりさん(3年)。ゼミの議論のようす、アルバイト、公務員試験から毛虫とのエピソードまで話はつきません。「時間割決まったよ」と空きコマを出し合い、班会を設定しています。
交流会に参加するのは5回目、という1年の悠輔くん。「新生活はワクワクよりも不安が大きい。どの講義をとったらいいか、先輩にアドバイスをもらって参考にしました。憲法や政治について自分の力で考えていきたいので、くわしい先輩と和気あいあいで学べる民青は魅力的」と話します。
悩みはトコトン聞く
「団体に入るのに抵抗があって、新しいサークルに踏み出せない」と話す1年の舞さん。高校のときのいじめの経験が尾を引いているといいます。
「私もそうだったから、気持ちわかる」と3年の京香さんがうなずきました。
「昔仲良かったクラスメートが、私の悪口を言い回って高3の1年間は勉強をやる気も起きなかった。民青は一人ひとりを大切にしようといっているから、班会で悩みが出されるとスケジュールをかえてとことん聞いたりする。私も悩みを話せるようになったよ。忙しかったり負担だったりしたらいつでも教えてほしい」と伝えました。
自分の生き方探そう
「A大は固定したクラスがないから、友達ができづらいし、一人で昼食を食べるのはさびしい。ランチタイムを毎日やって新入生の居場所になりたい」と班長のあかりさんは話します。
学生食堂の席は学生数の10分の1しかないので場所取りは大変です。空きコマのある上級生が1時間前から場所をとり、メーリングリストで回します。
不況の影響で公認会計士や税理士の資格をとるからサークルを考えていないという新入生も多くいます。あかりさんは「資格をとったあとに、どんな人になるのかが大事だと思う。例えば弁護士でも、大企業側になるのか、弱い人の立場で一緒にたたかう弁護士になるのか。民青で社会のことを勉強して生き方を模索してほしい」と話しています。
2万人の仲間がいます―――民青同盟って?
地域、学園、職場に班をつくって活動しています。メンバーは約2万人。メンバーの「知りたい」「気になる」を出発点に学習しています。「社会に居場所がないのなら、自分たちで居場所をつくる」という姿勢で、交流会をしたり、学費軽減や就職難の解決を大学や社会に働きかけたりしています。相談相手は日本共産党です。
政治が変わる希望見えた 新入生 春樹くん
東京・日比谷公園で行われた「年越し派遣村」で医療ボランティアをした谷川智行さん(日本共産党衆院比例候補、医師)の話を聞きました。それまでは政治なんか信用できないし変わらないと思っていました。ボランティアの情熱とそれがじわじわと政治に伝わって住居がない人も生活保護が申請できるようになるなど政治が変わっている最中だということを知って、希望が見えました。
高い学費も変えていける 3年生 京香さん
もともと途上国で教育を普及したいと思っていました。先輩から話を聞いて、日本でも高い学費のために進学できない人がいることを知りました。昼休みに350人からアンケートを集めると毎日バイトして生活費を稼いでいる人もいました。ひどい状況に悲しむだけじゃなく、どうしたらいいか考えて、自分たちの動き次第で社会が変わっていくので明るくなれます。
お悩みHunter
非正規の雇用保険は無意味?
Q 小さな会社で、事務員として6カ月契約の週5日間、1日4〜5時間勤務で働いています。社長は「頑張ってくれたら、契約更新するよ」といいますが、ちょっと不安です。6カ月契約では雇用保険に入っていても、あまり意味がないと聞いたことがあります。何とかならないものでしょうか。(28歳、女性)
適用基準が変わって緩やかに
A 今年3月31日以降、雇用保険制度が変わり、短時間就労者と派遣労働者について、雇用保険を利用できる適用基準が緩和されました。
あなたのように、6カ月以上の雇用が見込まれ、1週間当たりの所定労働時間が20時間以上あれば、雇用保険の被保険者資格を取得できることになりました。
これまでは1年以上の雇用見込みがあることが必要でした。
また、今年4月1日以前から勤務している場合でも、4月1日以降、適用基準を満たすことになれば、やはり雇用保険が適用されます。
さらに、改正で、期間に定め(期限)のある労働契約の期間が満了し、かつ、その労働契約の更新がないために離職した労働者の場合、その労働者が希望しても更新する合意が成立しなかったときは、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6カ月以上あれば、失業給付の受給資格を満たすことになりました。改正前までは、離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上必要でした。
なお、雇用保険は適用基準を満たす労働者を雇用した事業主は、雇用保険被保険者資格取得届を提出する義務があります。
ですから、仮に会社が、雇用保険への加入を怠っていたとしても、あなたが失業した時に失業給付を受ける資格を満たしていれば、給付を受けることができます。
詳しくは、ハローワークに相談してください。
弁護士 岸 松江さん
東京弁護士会所属、東京法律事務所勤務。日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員。好きな言葉は「真実の力」。