2009年4月11日(土)「しんぶん赤旗」
在沖米海兵隊グアム「移転」協定にたいする
笠井議員の反対討論
日本共産党の笠井亮議員が十日、衆院外務委員会で行った在沖縄米海兵隊グアム「移転」にかかる日米協定にたいする反対討論は次の通りです。
私は日本共産党を代表して、反対討論を行います。
反対理由の第一は、本協定が、在沖縄米海兵隊のグアム「移転」にともなう司令部庁舎、教場、隊舎、学校関連施設の整備のために、日本が二十八億ドルを上限として財政支出を約束しているからであります。
米国領土内の基地強化のためと称し、日本が財政支出することは、安保条約さえも超えるものであり、憲法上も認められるものではありません。
アメリカの領土の基地建設費用を負担することなど、世界でもまったく類例がないものであります。
そもそも、在沖縄米海兵隊のグアム「移転」計画は、米国みずからの軍事戦略にもとづいて陸軍、海軍、空軍、海兵隊の四軍の部隊をグアムに集め、グアムを戦力投射の拠点にするものであり、このような米軍の計画に日本が財政支援すべきでないことは明らかです。
第二に、この協定の条件として、沖縄の辺野古沖に海兵隊の最新鋭の基地を建設することがパッケージとされていることであります。
この計画が実施されれば、辺野古沿岸の海洋環境をはじめ、沖縄の貴重な自然環境を破壊するにとどまらず、周辺地域に新たな騒音被害や基地被害をもたらすことは必至であります。
沖縄県民は長年、米軍基地が存在するが故の、耐えがたい苦しみを受けつづけています。その米軍基地を強化し、固定化を押しつけることは、基地の苦しみからの解放を求める、県民の願いを真っ向から踏みにじるものであり、絶対に許すことができないものです。
そもそも沖縄米軍基地は、米占領下で、住民を排除し、銃剣とブルドーザーで奪った土地の上に築いたものであり、ただちに無条件ですべて返還すべきものです。
日本政府は普天間基地に代わる新基地の建設計画を直ちに中止し、普天間基地の即時無条件・全面返還を米国に要求すべきであります。
最後に、この間の委員会における審議で重大な問題点が次々と明らかになりました。
ひとつは、海兵隊の移転費だけでなく、移転後、海兵隊のグアムでの訓練の移動経費や活動経費を負担することや、融資・出資分が回収できない場合のリスクの分担など、この協定の締結は、際限のない日本の負担拡大の入り口になっていくものです。
二つ目は、八千人削減されるとする削減人員に、まったく根拠がないということであります。
まだまだありますが、このような新たな問題点が次々と明らかになった以上、この協定を到底容認できないことは明白であります。
【Movie】グアム「移転」協定にたいする笠井議員の反対討論(09.4.10)