2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」
二階氏を支援 関空工事期待
「元運輸大臣だし、空港関係に強い」
「西松」元幹部ら証言
自民党の二階俊博経済産業相側に準大手ゼネコン「西松建設」から多額の資金提供が行われていた問題で、同社が関西国際空港工事での二階氏の影響力を期待して支援していたことが八日、同社元幹部らの証言などで明らかになりました。資金提供と大型公共工事の不透明な関係が問われます。
同社中枢にいた元役員は、本紙の取材に対して「二階さんに期待したのは、関西空港工事での影響力。そのために支援した」と証言。「元運輸大臣だったし、空港・港湾関係に強い。西松との関係も古い」とのべ、二階氏の航空行政にも強い「運輸族」としての影響力に期待して支援したことを認めました。
関西空港二期工事で、西松は一九九九年から毎年のように七件、総額五百八十億円の工事を共同企業体(JV)で受注。具体的には、百二十三億九千万円で「埋立部地盤改良工事(その4)」、二百四十六億七千万円で「空港島埋立工事(揚土その3)」などです。
関空工事について、同社関西支店の元幹部も「あれだけ大規模に埋め立てをやる大プロジェクトはほかにない。どのゼネコンにとっても関空の受注は垂涎(すいぜん)の的だった」と話します。
二階氏は、和歌山県議時代から県議会関西空港特別委員長をつとめ、国政進出後も旧運輸大臣や自民党交通部会長を歴任した「運輸族」議員。関空事業でも、「与党関西国際空港推進議員連盟」の顧問をつとめるなど深くかかわっています。
関空二期工事は九九年から工事入札が始まりました。同議員連盟に所属する自民、公明、保守新党(当時)の国会議員二十六人に、二期工事を受注する業者から三千五百九十六万円(九九―〇一年)の献金が行われていました。
その中でも二階氏は、最多の七百三十九万円の献金を受けていたことが、日本共産党のはたの君枝参院議員(当時、現衆議院比例代表南関東ブロック候補)の国会質問で明らかになっています。
二階氏と西松の関係をめぐっては、同社ダミー団体による献金やパーティー券購入などでの計千六百十八万円の資金提供がこれまでに明らかになり、同社から二階氏関連団体への事務所無償提供疑惑も浮上しています。
二階氏側は、西松からの献金と工事受注の関係についての本紙の取材に「政党の機関紙からの質問には回答しておりません」(国会事務所)としています。