2009年4月7日(火)「しんぶん赤旗」
ゆうちょ銀カード事業
発注も受注も 三井住友系
総務相「なあなあ許されぬ」
大門議員追及
日本郵政株式会社(西川善文社長)のグループ企業「ゆうちょ銀行」のカード事業が、西川社長の出身行である三井住友銀行のグループ企業に不透明な経過で委託されていたことが六日、参院決算委員会の日本共産党の大門実紀史議員の質問で明らかになりました。
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ゆうちょ銀行のカード事業の委託先は、三井住友カードが発行数シェアで98・6%(発行枚数約三十万枚)と独占状態です。
しかし、ゆうちょ銀行は独自カードをもつ前(郵政公社時)は、三十六社のカード会社と「共用カード」で対応し、三井住友カードの発行シェアは0・2%(発行枚数二万枚)にすぎませんでした。
入札方法の「企画コンペ」も最初から八社にしぼられ、個別面接で行われました。
三井住友カードへの支払いは、二〇〇八年五月から十二月の半年間で四十二億円になっており、カード発行が数百万枚になれば、数百億円規模の巨大ビジネスになります。
大門氏は、三井住友カードを委託先に選んだゆうちょ銀行の責任者(宇野輝常務執行役)が三井住友カード社の元副社長であったことを指摘。実績のない三井住友カード社になぜ委託されたのか不透明・恣意(しい)的な経過があることを示し、「これでは、三井住友カード社の元副社長が同社に業務を受けさせるために動いたと疑われても仕方ない」と強調しました。
さらに大門氏は、カード事業の委託先選定過程に、三井住友銀行が主要株主となっている凸版印刷の関係者が入っていたことも暴露しました。「三井住友カード社がゆうちょ銀行のカード事業を請け負ったあと、カードの製造は凸版印刷が受注している。すべてできレースの構図ではないか」とただしました。
鳩山邦夫総務相は、「0・2%のシェアのところがどうして委託先になるのかと思わなかったら、おかしい。(郵政は)現在はまだ国民の共有財産だ。なあなあとお互いの人脈でずぶずぶとやり、物事を決めることは絶対に許されない」と答えました。
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【Movie】ゆうちょ銀カード事業 発注も受注も三井住友系 大門議員追及(09.4.6)
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