2009年4月6日(月)「しんぶん赤旗」

米兵?看板持ち去る

「軍艦いらない」市民が掲示

沖縄・石垣


 沖縄県石垣市の民間港、石垣港への米海軍掃海艦二隻の寄港に抗議する市民団体の横断幕と看板が何者かに持ち去られ、港内監視カメラに米兵らしき男の持ち去る姿が写っていたことが、五日までに明らかになりました。

 持ち去られたのは掃海艦二隻が寄港を強行した三日早朝の抗議行動後に、米艦が接岸したF岸壁から見えるようにと「いしがき女性9条の会」がフェンスに掲示した縦一メートル、幅三メートルの横断幕と看板。英語で「軍艦はいらない 米軍ノー」と書かれてありました。

 同会は四日に八重山警察署に被害届を提出、同署は現場で指紋や足跡などを採取、聞き取り捜査に着手しました。

 その結果、港内の監視カメラに、三日深夜、米兵らしき複数の男が数回にわたり下見のような行動をし、フェンスによじ登って横断幕や看板をはずして持ち去る姿が記録されていたといいます。この問題で地元メディアは、ケビン・メア在沖米国総領事が、「情報はないが、置いていた物が取られても捨てられたごみを片付けただけではないか。盗難という定義にはいるのか」(琉球新報五日付)との見方を示したと報じています。

 同会の大島忠枝事務局長(64)は「寄港に賛成する人の嫌がらせかと思っていました。まさか米兵とは…、会の名前を書いてあるのにゴミだなんて本当に許せない」と唇をふるわせました。

 横断幕は遠くからでもよく目に付くように脚立にのって高めに掲示したといいます。

 大島さんは「わざわざよじ登って持ち去るなんて。メア総領事の言葉も自分たちに反対する言動は排除するという米軍のおごりとごう慢さの現れで、『友好・親善』の本心が見えます。市民の安全・安心のために米軍艦船の寄港をあくまで拒否した大M市長と市民の判断は間違っていなかった」と話しました。

 同会の藤井幸子事務局次長(61)は「事実であれば、米軍と日本政府に謝罪と横断幕・看板の返却を求めたい」としています。



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