2009年4月6日(月)「しんぶん赤旗」
「西松」受注の空港工事
地元政治家から献金
二階氏が推進
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件をめぐって疑惑を指摘されている二階俊博経済産業相側が、同社も工事を受注した空港のある複数の自治体の県議や市長から献金を受けています。二階氏はこれらの空港建設や関連事業の推進に積極的にかかわっていたことも明らかになりました。(矢野昌弘)
二階氏が支部長を務める「自由民主党和歌山県第三選挙区支部」に献金をしていたのは、静岡県の元自民党県議です。政治資金収支報告書によると、現職当時の二〇〇五年に十万円を献金しています。
元県議は現職時に県議会などで、県営静岡空港の建設推進の立場から同空港への交通網整備などを県知事に要望するなどの活動をしています。
総事業費が千九百億円にのぼる同空港は、六月に開港を予定しています。西松建設は、二件で計十五億二千九百万円分を受注。辞職を表明した石川嘉延県知事が、同社のダミー団体から計百万円のパーティー券購入を〇六年に受けていたことも判明しています。
二階氏は、静岡空港と山梨県を結ぶアクセス道路建設を目指す自民党の研究会で最高顧問を務めています。
この会合で二階氏は「道路を建設することは使い勝手のよい空港にする手段」(「静岡新聞」〇七年十月十九日付)と発言しています。
市営神戸空港を抱える神戸市でも、矢田立郎市長の後援会が〇三年と〇五年に二百万円ずつ合計四百万円を二階氏側に献金していました。矢田市長は西松のダミー団体から三十万円分のパーティー券購入を受けています。
神戸空港をめぐって西松建設は、護岸築造工事を受注しています。
三月の神戸市議会で日本共産党の金沢はるみ市議はこの問題を取り上げ、「(地元紙によると)二階さんは、神戸空港に理解を示しているキーマンのひとり。市長は〇一年に東京に(国土交通省などへ)陳情に行かれた。二階氏がセットした。二階氏が『神戸空港の進ちょく率が金額ベースで43%に達していることをアピールしたほうがいい』と助言したと報じられている。神戸空港開港前の記念式典でも二階さんが出席している」と指摘。
矢田市長は「若干の資金のゆとりがあったので、その中で、関西方面で政治活動に熱心に活躍している二階大臣に寄付をした」と答弁しました。
二階氏は和歌山県議時代から県議会関西空港特別委員長をつとめ、旧運輸相などを歴任してきた運輸・空港族議員です。
西松建設の元本社役員は「二階さんは運輸大臣だったこともあり、その影響力に期待した」と語っています。
二階氏の地元、和歌山県白浜町にある県営南紀白浜空港では、工事費の約50%にのぼる工事を西松建設が受注していたことが、本紙の調べでわかっています。