2009年4月5日(日)「しんぶん赤旗」

民主党 西松違法献金

解明なしで「反転攻勢」とは…


 民主党は「三月は小沢(一郎)代表の秘書逮捕の問題もあったが、四月は民主党にとって反転攻勢の月だ」(菅直人代表代行、二日の記者会見)などといって、後半国会で「政治資金制度」「景気対策」「雇用対策」「政治と宗教」の四つの課題で政府・与党との“対決”姿勢を強めようとしています。

 しかし、小沢氏自身、西松建設の違法献金疑惑の説明責任を果たさず、民主党としてもキチンとした調査もしていません。“反転攻勢”を宣言した菅氏の記者会見でも、西松疑惑には一言も触れませんでした。

 「西松疑惑」の解明のため、関係者の参考人招致と同問題での集中審議を行うよう求めた日本共産党の申し入れにも、まともに対応しようとしていません。

責任丸投げ

 一方で、三日には西松違法献金事件で党内に、学者などでつくる「政治・検察・報道のあり方に関する有識者会議」を設置しました。同会議は「調査というよりも、(説明で)どのような部分が足りない、どのようなものが十分かというようなことをしっかり議論していただく」(鳩山由紀夫幹事長、三日の記者会見)のが目的。「説明責任」論議を「有識者」に丸投げしようとしています。

 企業・団体献金の規制などを議論している同党の政治改革推進本部(岡田克也本部長)の動きはどうか。いま出されているのは公共事業受注企業からの献金のうち、「一定額以上の」受注企業からの献金に限定したものです。

 小沢氏自身が公共事業受注企業からの献金を公然と受け取り、マニフェストに反した行動をとったことへの総括も反省もありません。しかも、小沢代表が口にした企業・団体献金の「全面禁止」は「五年、十年先」と将来的な問題にしようとしています。

“私も必要”

 三月二十七日に開かれた衆院代議士会で小沢氏の「説明」に疑問を表明した議員まで、「私も企業・団体献金を受け取っている。企業・団体献金がなければ五年間の浪人生活、活動はできませんでした」と、企業・団体献金の“必要性”を強調する始末。

 麻生太郎首相を先頭に「企業・団体献金を悪とは考えない」と公言する自民党と同じ方向を向きながら、「反転攻勢」などありえないことは明らかです。(中祖寅一)



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