2009年4月3日(金)「しんぶん赤旗」
西松疑惑
「関西新風会」の届け出“住所”に
二階派議員の親族企業
会計責任者も献金も提供
二階俊博経済産業相側に準大手ゼネコン「西松建設」が、同氏関連政治団体の事務所マンションを無償提供した疑惑で、同政治団体が自民党二階派の矢野隆司衆院議員(比例近畿)のファミリー企業と、人脈でも資金面でも密接な関係にあることが二日、本紙の調べでわかりました。
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西松側から事務所の無償提供を受けたとされるのは「関西新風会」。同会は大阪府選管に、大阪市北区梅田にあるオフィスビル二十七階の「矢野興産内」を「主たる事務所」所在地として届け出ています。
しかし、この住所に行ってみると、「関西新風会」の存在を示す表示はまったくありません。ビルのフロアの大半は、水道・ガス管製造整備大手の大成機工(矢野裕史社長、資本金約一億円)のオフィスが占め、フロアの一角に同社関連企業の矢野興産があります。
矢野議員は、大成機工の元副会長で、現社長は親族です。同氏は矢野興産でも取締役でした。
新風会が府選管に提出した資料などによると、同会の会計責任者には一九九〇年から大成機工の役員が就任しています。現在の会計責任者も同社元役員。大阪営業部長だった〇四年当時に新風会の会計責任者になっています。資金の出入りを管理する会計責任者は、政治団体の要職であり、同社と二階氏の関係の深さを示しています。
大成機工は、二階氏が支部長の「自民党和歌山県第三選挙区支部」に〇七年に二十万円を献金。矢野興産も〇四―〇七年に毎年十二万円ずつ計四十八万円を提供しています。〇五―〇七年に行われた二階派のパーティー券も両社で計二百十万円分を購入していました。
矢野興産の担当者は「(関西新風会の)事務所の住所が、この場所にあることは知らなかった。関西新風会が活動しているのを見たことはない」としています。
「関西新風会」の実際の活動は、大阪市西区にあるマンションの一室で行われていたとみられます。西松建設は、関連設計会社に四千万円を同マンション購入費用として融資。設計会社が関西新風会と年間約二百八十万円の賃貸契約を結んだといいます。
西松建設は、和歌山県第三選挙区支部に個人献金を装い年間三百万円を献金し、家賃を補てんする形で事務所を無償提供していたと指摘されています。
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