2009年3月31日(火)「しんぶん赤旗」
岩国周辺に米機訓練場
在日米海軍司令官 7月までに決定
在日米海軍のケリー司令官は三十日、四月上旬の退任を前にした米海軍横須賀基地(神奈川県)での記者会見で、米海軍厚木基地(同)や硫黄島(東京都)で行っている米空母艦載機による着艦訓練の移転先として、米海兵隊岩国基地(山口県)周辺を挙げました。
日米両政府が二〇〇六年五月に合意した在日米軍再編「ロードマップ」では、一四年までに厚木所属の空母艦載機を岩国に移転するとともに、着艦訓練のための「恒常的な施設」を今年七月までに選定するとしていますが、着艦訓練場の具体的な移転先について米軍高官が「岩国周辺」と明言したのは初めてです。
ケリー司令官は、艦載機移転に向けた作業は順調に進んでいるとの認識を示した上で、「現在、岩国エリアで空母艦載機の訓練のための所要を満たすための重要な作業が、(日本の)閣僚級を含めて進展している。今年七月までに恒久的な訓練施設を決めることになっているが、ひじょうにうまく進んでいる」と述べました。
着艦訓練は米空母出港前に艦載機部隊に義務づけられているもの。夜間に激しい爆音で訓練を繰り返し、市民生活を脅かしています。日本政府は国民の税金で硫黄島に訓練場を建設しました。しかし、硫黄島は厚木から約千二百キロ以上離れているため、米軍は厚木などでの着艦訓練を繰り返すとともに、日本本土に新たな訓練場を求めてきました。
■関連キーワード