2009年3月28日(土)「しんぶん赤旗」
レッド・パージ償え
神戸地裁 犠牲者、国を提訴
アメリカ占領軍の命令で日本共産党員と支持者が職場から追放されたレッド・パージ(一九四九―五〇年)で、歴代政府が犠牲者救済の義務を怠ったとして二十七日、神戸市在住の犠牲者三人が国家賠償を求めて神戸地裁に提訴しました。
提訴したのは、大橋豊さん(79)、川崎義啓さん(92)、安原清次郎さん(88)の三人です。
訴状によると、レッド・パージは、思想、良心、信条、結社の自由を根底から奪い、法の下の平等を著しく侵害し、日本国憲法、国際法規、ポツダム宣言などに反すると指摘。レッド・パージの根拠とされるマッカーサー指令を絶対のものとした一連の最高裁判決で司法による犠牲者救済は認められなかったが、一九五二年の主権回復後は、政府は名誉回復、職場復帰、損害の補償など救済策を講じる法的義務があったと強調しています。
国がこれを怠り続けてきたことで、原告らは計り知れない精神的苦痛と財産的損害を受けたとして、国にたいし一人二千万円の賠償請求をしています。
日弁連は昨年十月、原告三人について、名誉回復や補償を含む措置を講ずるよう国に勧告しています。
大橋さんは同日、集会で「私たちは高齢者。生きているうちに名誉回復を、と切実に願っています。どうかお力添えを」と訴えました。