2009年3月28日(土)「しんぶん赤旗」
アフガン追加増派4千人
オバマ政権が新戦略
【ワシントン=西村央】オバマ大統領は二十七日午前(日本時間同日夜)、アフガニスタンについての包括戦略を発表。すでに決定している一万七千人の増派に加え、アフガン軍の訓練要員として四千人追加派兵すると明らかにしました。
これに先立ち内容を伝えた二十六日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、追加増派はアフガン治安部隊の訓練や装備の強化にあたるのが目的で、アフガン反政府武装勢力タリバンの拠点となっているアフガン南部への攻撃力を強めるものです。
軍事・民生両面で関与を強め、最終的には米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍の出口戦略にもつながるとしています。
アフガン政府は、二〇一一年までに同国軍を現在の二倍の十三万四千人に増やす計画です。しかし、現状では訓練要員や軍事顧問が不足しており、装備や輸送手段も十分供給されていないといいます。
追加増派の四千人の部隊は六月にも派遣される予定です。
新たな包括戦略は、アフガン情勢の悪化のなかオバマ政権発足後に検討されたもので、米軍の増派とともにアフガンとパキスタンへの開発援助を含んでいます。アフガンには、外交官など文民数百人の派遣も計画されており、法制度や農業の整備、統治の円滑化などでの援助に専念するとしています。
包括戦略では、イラン、インド、ロシア、中国などアフガン周辺諸国と外交面で連携を強める方針です。
オバマ氏は二十六日、アフガンのカルザイ、パキスタンのザルダリ両大統領とそれぞれ電話で会談しました。