2009年3月27日(金)「しんぶん赤旗」
介護妨げる配転違法
NTTリストラ訴訟一部勝訴の判決
札幌高裁
NTTが二〇〇二年に強行した「十一万人リストラ」による広域・不当配転は無効だと原告五人(阿部昭彦団長)が訴えていた「NTTリストラ北海道訴訟」で、札幌高裁は二十六日、一部勝訴の判決を出しました。
信濃孝一裁判長は、介護が必要な両親を抱えながら東京へ広域配転された石黒孝雄さん(63)について、「育児介護休業法二六条にもとるもの」と権利乱用で違法・不法行為と断定。一審判決に五十万円を上乗せし、慰謝料百五十万円の支払いを命じました。一方、他の四原告については、二〇〇六年九月の労働者全面勝利の札幌地裁判決を覆し、訴えを棄却しました。
判決は、石黒さんへの広域配転が「不可欠であったと認めがたいのに対して、不利益は労働者が通常甘受すべき程度を著しく超えるもの」とし、「東京への赴任を余儀なくさせたことは不法行為になる」と断じています。
判決後の報告集会で原告の馬場笑美子さん(59)は「判決は悔しいですが、石黒さんが勝ったことは本当にうれしい」と表明。阿部原告団長は「NTTは“配転は業務上の必要性がある”というが、見せしめにすぎません。引き続き支援をお願いします」と語り、拍手に包まれました。
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