2009年3月27日(金)「しんぶん赤旗」
一般戦災被害調査を
不十分な政府姿勢を批判
高橋議員
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高橋ちづ子議員は二十五日の衆院厚生労働委員会で、一般の戦災被害者の支援について政府の姿勢をただしました。
高橋氏の質問に、厚労省は遺族年金と特別弔慰金の総額が約七兆二千億円、援護年金の支給者数が開始当時の三十六万人から現在一万九千七百二十二人になっていること、特別弔慰金交付国債の支給件数が現在までにのべ九百九十五万五千件にのぼることを明らかにしました。
空爆などの被害を受けた市町村と犠牲者について高橋氏は、総務省がこれ以上の数字はないとする日本戦災遺族会の調査(一九七七年)で、宮城県石巻市、福島県いわき市や最後の空襲といわれる秋田市の土崎空襲なども「不詳」として犠牲者はおろか日付すら記載されていないことを指摘。語り継がれてきた被害の実態をきちんと記録に残すよう求めました。総務省は関係の市町村や遺族に協力を求めて記録に残していきたいと答えました。
高橋氏は、当初三千九百九十人の犠牲と発表された東京大空襲についても、「東京大空襲を記録する会」などが粘り強く取り組んできた結果、多大な犠牲の実態が明らかになってきたと指摘。一般戦災の被害実態を小さく見せる政府の姿勢を批判しました。
舛添要一厚労相は、「国として所管する場がないが、東京大空襲など指摘された点はよく理解させてもらいたい」と答えました。