2009年3月26日(木)「しんぶん赤旗」
水俣病特措法案を批判
患者11団体 熊本知事と面談
水俣病患者十一団体は二十五日、連名で与党が今国会に上程した「水俣病に関する特別措置法案」を「加害者(チッソ、国・熊本県)を救済するための免責法案であり、被害者救済はとってつけたもの」として、チッソ分社化、地域指定解除の撤回を求める声明を発表。代表ら十九人が、熊本県庁で蒲島郁夫知事と面談し、患者の早期全面救済を求めました。
チッソ水俣病患者連盟の松崎忠男委員長が声明を読み上げ、知事に声明書を手渡しました。
水俣病不知火患者会の大石利生会長は、「(法案は)加害者を救済する法律。沿岸住民の調査もしないで本当の解決はない。法案の撤回を要求してほしい」と訴えました。
水俣病互助会の諫山茂会長は「現地を見てほしい。それも、一、二日ではなく長期に。ほとんど家庭崩壊です」と現地視察を要請。水俣病被害者の会の中山裕二事務局長は、水俣病患者団体をまわったことをのべ「当事者で“いい”といっている者は、だれもいない。問題ありときっちり表明してほしい」と訴えました。
声明を出したのは水俣病不知火患者会、同被害者互助会など熊本県内八団体、新潟県関係の新潟水俣病阿賀野患者会など二団体と愛知県を中心とした水俣病・東海の会。
法案について、最高裁判決後三万人を超す認定申請者、保健手帳取得者が三万人を超えている事実に向き合っていないと批判。「加害者の利益を最大限に盛り込むとは、法案作成者の道徳心の欠如」と指摘。チッソ分社化と地域指定解除の撤回を求め、加害者救済を柱とする逆立ちした法案を根底から再検討するよう求めています。