2009年3月26日(木)「しんぶん赤旗」

JR不採用

組合差別 三度断罪

東京高裁、早期解決促す


 一九八七年の国鉄分割・民営化でJRに不採用となったのは組合差別による不当労働行為だとして国労組合員・遺族三百四人が鉄道建設・運輸施設整備支援機構を相手におこしていた鉄建公団訴訟で二十五日、東京高裁が判決をだしました。一審の東京地裁判決に続き、高裁として初めて不当労働行為を明確に認めました。

 国による不当労働行為と裁判で断定されたのは、昨年一月の全動労訴訟の東京地裁判決に続き、三度目。国はJRを不採用とされた千四十七人問題のすみやかな解決への決断が求められることになりました。

 判決は、地位確認の請求などは退けたものの、所属組合によってJRへの採用率に顕著な差があり、所属組合による不利益な取り扱いがあったと指摘。当時の国鉄幹部の言動などから「国鉄は国労嫌悪ないし弱体化の意図を持っていた」としました。また損害賠償請求権は時効との機構側の主張を退け、一部の原告を除き、一審より一人当たり五十万円増額した五百五十万円の賠償を命じました。

 南敏文裁判長は判決言い渡し後、「判決を機に早期解決をのぞみます」と特にコメントしました。

 判決後の報告集会で国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長は、裁判長の早期解決をとのコメントにふれ、「解決金、年金、雇用の解決要求を堅持し、この判決を土台に政治解決を求めていく」と表明。「全国会議員に裁判長のコメントを伝えよう」と呼びかけました。



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