2009年3月25日(水)「しんぶん赤旗」
大阪府庁移転を否決
府議会 防災上の欠陥など発覚
大阪府の橋下徹知事が二月定例府議会に提出していた大阪府庁の大阪ワールドトレードセンタービル(WTC、大阪市住之江区)への移転条例案は、二十四日未明の閉会本会議で、地方自治法で定められた出席議員の三分の二以上の賛成が得られず、大差で否決されました。府民の福祉や教育、文化をばっさり削った「財政再建」の次の一手として、「関西州の州都となりうる」「大阪・関西再生の起爆剤」などとしたWTC移転案に府民がノーをつきつけた形になりました。
府議会の主な構成は与党が自民党四十九、公明二十三、民主党二十四、唯一の野党の日本共産党十。採決は無記名投票で行われ、条例案は反対六十五、賛成四十六、無効一。賛成は半数にも及びませんでした。百五億円の移転費用(補正予算)も反対六十九、賛成四十、無効二で否決されました。
WTC移転案については日本共産党は府議団独自の調査・検討で、防災拠点としての問題点や府の資料の不備が次々発覚しました。そうしたなかで公明党が反対を表明するなど、日本共産党以外の会派からも疑問が相次ぎました。
団としては賛成で党議拘束しない自民党、賛否が分かれる民主党は自主投票としたため、自民党や民主党の議員からもかなりの反対票が投じられたことになります。
本会議採決前に行われた各会派の意見陳述では、日本共産党は堀田文一府議が、WTCが建つ人工島(咲洲(さきしま))の地盤が不等沈下していることを述べ、「大地震時には液状化で陸の孤島となる」と反対を表明しました。