2009年3月24日(火)「しんぶん赤旗」

「爆音もう我慢の限界」

飛行差し止め損害賠償求め 住民476人が初提訴

山口・米海兵隊岩国基地


写真

(写真)訴状提出後デモ行進する訴訟団や弁護団、支援者=23日、山口県岩国市

 「これ以上の爆音はがまんできない」。山口県岩国市の米海兵隊岩国基地周辺住民四百七十六人は二十三日、国を相手に、米軍機の飛行差し止めや騒音被害にたいする損害賠償を求めて山口地方裁判所岩国支部に提訴しました。

 訴えには、在日米軍再編に伴う同基地への米軍機の移転差し止めも盛り込まれており、弁護団によると、再編計画をめぐる米軍機の移転差し止め訴訟は全国初といいます。また、岩国市民の騒音訴訟も初めてです。

 訴状によると、原告団はW値(うるささ指数)七五以上の世帯で構成され、米軍機の騒音による睡眠妨害だけでなく日常生活が妨げられているとしています。

 そのうえで(1)飛行および騒音の差し止めについては、夜間(午後八時―翌日午前八時)は航空機の離着陸やエンジンの作動の差し止め、昼間(午前八時―午後八時)は六〇デシベルを超える騒音の差し止め(2)市街地上空における旋回・急上昇の差し止め(3)米軍再編にともなう横須賀に配備されている空母艦載機部隊と普天間の空中給油機の岩国移転の差し止め(4)過去に被った被害にたいする損害賠償として一人当たり百十五万円、総額五億四千七百四十万円(5)騒音被害が解消されるまでの間一人当たり月二万三千円―を求めました。

 会見で原告団の津田利明団長は「提訴まで長い期間を要したが、今からがスタートであり、勝利に向けて気を引き締めてがんばりたい」と語りました。弁護団の吉川五男弁護士は「米軍機の騒音は日本の法律に違反しているという結論が、全国の基地訴訟で積み上げられてきた。岩国では、艦載機移転の差し止めを求めているのが特徴であり、勝利を勝ち取りたい。支援の輪を広げていこう」とよびかけました。



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