2009年3月23日(月)「しんぶん赤旗」
社会リポート
沖縄・辺野古 米軍新基地反対
座り込み1800日
「豊かな海守れ」市民らの拠点に
日米両政府が沖縄県名護市の辺野古崎沿岸に押し付けようとしている米海兵隊の新基地建設計画。「ジュゴンとサンゴの生息する美(ちゅ)ら海に米軍基地はいらない」と住民が連日、現場に座り込み、監視行動をはじめて二十三日で、千八百日になります。(山本眞直)
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新基地建設の予定地、米軍キャンプシュワブの辺野古崎と目と鼻のさき、辺野古漁港に隣接する堤防の一角に建てられたテント村。
名護市の市民、労組、平和諸団体でつくるヘリ基地反対協議会が設置した、たたかいの最前線拠点です。その前面に掲げられた看板。
「海上基地建設阻止開始より8年(2639日) 命を守る会の闘いと座り込み 1799日」(二十二日現在)
違法調査を監視
一九九五年の米海兵隊員による少女暴行事件への県民の怒りにあわてた日米両政府が、普天間基地返還を口実に新基地建設を決定。名護市民投票や各種県民世論調査での七割以上の反対を無視して、辺野古への建設を推進しています。
防衛庁(当時)のボーリング調査強行に抗議の座り込みと監視行動を開始したのが二〇〇四年四月十九日。
以来、テント村は名護市民はじめ県民や、「豊かな海と平和を守れ」と全国からかけつける支援者の活動拠点になりました。
二十二日もテント村を訪れた福岡県の学童保育の子どもたちと指導員、父母の「平和学習」が行われました。
ヘリ基地反対協の大西照雄代表委員が辺野古の海の豊かさ、その自然を破壊する米軍基地の危険性を写真やパネルで説明しました。
大西さんは「沖縄防衛局の違法な環境調査を監視する拠点と同時に、ジュゴンやサンゴなど多様な生物の宝庫であるこの海の実態を学び、国の環境影響評価(アセスメント)のごまかしを告発していく学びの場になっている」と座り込み、監視行動の多面的な意義を強調します。
建設阻止の原点
座り込みは辺野古の住民組織「命を守る会」の「おじい」や「おばあ」たちも分担しています。
長老格の嘉陽宗義さん(88)は、傷痍(しょうい)軍人です。今も痛む傷跡をさすりながら「子や孫たちに、戦争のための基地をこの海につくらせてはならない。辺野古には、基地をつくりませんと国に言わせるまでは死んでも生き返って反対する意気込みで、座り込んでいる」と一歩も引かない構えです。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は「県民世論でこれまでに三度の日米合意を破たんさせてきたが座り込みはその原点。米国の基地建設に日本の税金を投入する不法なグアム協定の撤回など今後も座り込みを続ける県民と力を合わせて、新基地建設をやめさせるため国会内外でともにがんばりたい」と決意を込めます。
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