2009年3月21日(土)「しんぶん赤旗」
ガザ攻撃は戦争犯罪
国連人権理報告官が指摘
【カイロ=松本眞志】国連人権理事会のリチャード・フォーク特別報告官は十九日、スイスのジュネーブで同理事会に年間報告を提出し、イスラエル軍が昨年十二月から今年一月にかけてパレスチナのガザ地区で行った人口密集地に対する軍事攻撃全体について、「重大な戦争犯罪だった」と結論づけました。
フォーク氏は、攻撃で市民九百六十人を含む千四百三十四人が死亡したとし、「(ガザ攻撃は)都市部の人口密集地に対する大規模攻撃だった」と判断。戦時国際法であるジュネーブ協定が軍事目標と一般市民の区別の必要を定めているとしたうえで、「もし区別できずに攻撃したのであれば違法であり、国際法のもとでは重大な戦争犯罪を構成する」と強調しました。
同氏はまた、ガザ地区の全検問所を封鎖した状態で学校やモスク(イスラム教礼拝所)、救急車が攻撃されたとし、「住民の非戦闘地帯に避難する権利が侵害された」と告発。白リン弾など残虐兵器の使用を含め、イスラエル軍が人道に反する罪を犯したと訴えました。
同氏は、イスラム武装抵抗組織ハマスによるイスラエル南部に対する無差別のロケット砲攻撃も戦争犯罪に値するとの認識を示し、住民の証言聞き取りやイスラエル軍やハマスの軍事組織の指導者から事情聴取を行うべきだと主張しました。