2009年3月18日(水)「しんぶん赤旗」
住宅確保 国の責任で
「反貧困ネット」 湯浅氏が主張
参院公聴会
参院予算委員会は十七日、「財政・経済・雇用」「行政改革、外交・安全保障」「社会保障・国民生活」の三つのテーマについて公聴会を開きました。
「財政・経済・雇用」のテーマで意見を述べた反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長)は、年度末にむけ、大量の失業が予想される非正規労働者のために「国が直接、会社寮や民間アパートを借り上げてほしい」と主張しました。
また、湯浅氏は失業給付が出るまでの一、二カ月の間をしのぐための「緊急小口貸付」の要件が厳しいと指摘。この要件を緩和することを求めました。
日本共産党の大門実紀史議員は、雇用保険法改正についての湯浅氏の見解を聞きました。
湯浅氏は、雇用保険の給付までに時間がかかる問題を指摘。「運用面の手直しも必要だ」と強調しました。また、「有期雇用期間と雇用保険の整合性が必要だ」と述べました。
日本共産党の井上哲士議員は、「行政改革」について意見を述べた、北海道大学大学院の山口二郎教授に、「小泉構造改革がすすめた自己責任論や、『官から民へ』の行政改革が今の社会にどのような影響を与えているか」と質問。山口氏は、「自己責任論は強者の論理。人間には自分では制御できない、生まれつきの不平等な条件がある。その解決は政治の役割だ」と述べました。
また山口氏は郵政民営化について、「郵便局は非常に大切なインフラだった。民営化は金もうけするためであって、『かんぽの宿』の問題も当然予想できた」と述べました。
井上氏は、「社会保障・国民生活」について意見を述べた横浜国立大学大学院の井手英策准教授に、「医療や介護などの社会保障の分野での内需拡大にもたらす役割」を質問しました。
井手氏は「福祉産業を発展させることによって、正規での雇用保障ができるようになる」と指摘。「これは、中間層の育成につながっていく。税収が飛躍的に伸び、所得税の累進性をすこしでも強化しておけば、税収の伸びが違ってくる」と述べました。
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