2009年3月18日(水)「しんぶん赤旗」
自衛隊幕僚学校
「歴史観」講座を中止
「来月から」防衛相答弁
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浜田靖一防衛相は十七日、参院外交防衛委員会で四月一日から始まる予定である自衛隊の統合幕僚学校の二〇〇九年度前期幹部高級課程で、「歴史観・国家観」の講座をおこなわないことを表明しました。日本共産党の井上哲士議員に対する答弁で明らかにしました。
同講座は先の大戦について政府見解と異なる見解を発表したとして解任された田母神俊雄・前航空幕僚長が統幕学校長時代の〇三年に主導して設けたと明らかにしていたもの。昨年十一月の参考人質疑のさい井上氏の質問に対し、認めました。
講座では、侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらを講師として招き「大東亜戦争史観」「東京裁判史観」などを「主要教育内容」にあげ、侵略戦争を肯定する教育が行われ、昨年までに約四百人の幹部自衛官が受講していたことが判明しています。浜田防衛相は「バランスを欠いていた」(昨年十二月十一日)などとして講座の廃止も含めた見直しをおこなうとしていました。
外防委で答弁に立った浜田防衛相は、「見直しを検討中であり、現時点で内容や時期を示すことは困難」としたうえで、四月からの課程について「結論が出ていないので(歴史観・国家観)講座は実施しない」と述べました。
井上氏は「講座内容や開設の経緯からみて廃止すべきだ」と述べました。
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