2009年3月17日(火)「しんぶん赤旗」
二階氏地元の南紀白浜空港工事費
「西松」が5割受注
和歌山
ダミー(隠れみの)政治団体を使った違法献金が問題となっている準大手ゼネコン「西松建設」が、二階俊博経済産業相の選挙区内にある「南紀白浜空港」建設で二十九件、工事費の約半分に相当する約百七十三億円もの工事を受注していたことが十六日、本紙の調べで明らかになりました。
県営南紀白浜空港は和歌山県白浜町にあり、二階氏の選挙区である衆院和歌山3区内にあります。中選挙区時代の二階氏の選挙区である旧和歌山2区も同様です。
西松建設は、一九九〇年から九四年にかけ、空港新設のための「本体土工工事」(二十五億八千七百万円)を大林組などとの共同企業体(JV)で受注しています。西松建設単独分もあわせると二十九件の工事を相次いで受注し、約百七十三億円の工事を受注していました。
県の県土整備部によると、同空港の新設や滑走路延長の工事費はおおよそ三百三十六億円。工事費全体の約五割に、同社がかかわったことになります。
同社が受注にいたった経緯について、県の担当者は「文書の保存期限が過ぎているため、入札の形態については、わからない」としています。
西松建設の工事経歴書によると、国保日高総合病院救急・手術室棟増築工事(十六億九千万円)、印南小学校校舎大規模改造工事(約二億円)など、衆院和歌山3区内の公共工事を多数受注しています。
二階氏と西松建設をめぐっては、西松のダミー団体が、二階氏の資金管理団体「新政経研究会」に九五―九八年に計七百八十万円を献金。二階氏が代表を務める自民党二階派の政治団体「新しい波」のパーティー券八百三十八万円分も購入しています。
南紀白浜空港の利用者は年間十四万人ほど。名古屋便や福岡便などの撤退が相次ぎ、JAL東京便の一路線のみの運航で利用者は低迷しています。