2009年3月16日(月)「しんぶん赤旗」
八田さん勝利で千葉県から政治の春を
知事選 志位委員長訴え
十五日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた千葉県知事選の街頭演説で、八田英之知事候補は、県立病院統廃合計画による地域医療の崩壊、全国四十五位の医師数などの実態を告発。八ツ場(やんば)ダムなどの大型公共事業を見直し、特別養護老人ホーム建設をはじめとする福祉型公共事業などで三万人の雇用創出をめざす決意を表明し、「国・企業いいなりから命と暮らしを守る県政へ切りかえよう」と訴えました。
県知事選では八田候補のほかに、四分裂した自民党と民主党などの各党がおす四人の新人候補が立候補しています。
対決の構図
志位氏は、今回の知事選の対決構図を、端的に「四つに割れた(現堂本県政の)『オール与党』か、多くの無党派、県民のみなさんと日本共産党が共同でおす八田さんかの対決です」とズバリ解き明かしました。
全日本民医連の事務局長だった八田候補が一九九七年、健康保険自己負担を二割に引き上げる大改悪に反対して国会で参考人として堂々たる陳述を展開したことを紹介。「命と健康をまもる立派な仕事をしてきた八田さんこそ、県知事に最もふさわしい人です」と力を込め、大きな拍手を受けました。
志位氏は、千葉県知事選が「国政にモノ申す」重要な選挙になっていると指摘。四候補を担ぐ自民、民主両党が「西松マネー」に汚染され、自浄努力もまったくみられないもとで、「八田さんで『西松マネー』に汚染されている勢力に厳しい審判を」と訴えると、聴衆から「そうだ!」とかけ声、拍手がわきおこりました。
選挙の争点
知事選の争点は、「巨大開発優先から、暮らしと福祉優先の県政への大転換」です。志位氏は、「八田さんに県民の三つの願いを託そう」と呼びかけました。
第一は、暮らしの土台―雇用を守れという願いです。
志位氏は、堂本県政が茂原市とともに九十億円もの補助金をつぎ込んで誘致したIPSアルファテクノロジ(現パナソニックのグループ会社)が新たに雇用した正社員は一人もいなかったことを指摘。それどころか昨年十二月までに四百三十七人もの「非正規社員切り」を行ったと告発しました。
志位氏は、「大企業にモノが言えない勢力に担がれた候補者では雇用は守れません。八田さんでこそ、雇用を守れるし、増やす道が開かれる」と力を込め、盛んな拍手を受けました。
第二は、安心できる福祉・医療をとの願いです。
志位氏は、「オール与党」が支えた堂本県政の八年で、難病の子どもたちへの医療費助成の廃止など県独自の福祉事業が十二事業(三十億円)も廃止・削減されたことを指摘。国いいなりの国保証とりあげで資格証明書発行は全国四番目に多く、六十五歳以上人口一千人あたりの特養ホームのベッド数も十二・七床と全国最下位だと告発しました。
「地方自治体の使命は『住民の福祉の増進』です」「医療と福祉のエキスパート、八田さんが掲げている中学三年生までと七十五歳以上の医療費無料化を、この千葉県から始めましょう」と訴えると、聴衆は大きな拍手で応えました。
第三は、無駄づかい一掃の願いです。
志位氏は過大な水需要にもとづく八ツ場ダム(県負担七百六十億円)など見通しのない事業のオンパレードを批判。「ゼネコン献金に群がる自民、民主におされた候補者では無駄づかいをとめることはできません」と強調しました。
最後に志位氏は、新聞でも、「『麻生隠し』対『小沢隠し』」(「読売」十三日付)と報じられたように、知事選で四つに割れた「オール与党」陣営が「党隠し」や「党首隠し」に走っている様子を指摘。
「広い県民と日本共産党の共同の姿を堂々と示してたたかっている八田陣営こそ、責任ある政治の姿を示しています。この共同の力を広げに広げて、八田さんを知事に押し上げよう」と訴え、盛んな拍手と声援に包まれました。
「元自民党だった」という柏市在住の男性(68)は、ひときわ大きな声援を送り、「腐敗した政治を変えるには共産党や八田さんを応援するしかないと気づいた」と語りました。
このあと志位氏は、同県船橋市で開かれた「明るい会」の決起集会でもあいさつしました。