2009年3月16日(月)「しんぶん赤旗」
西松マネー
自・民 沈黙
追及は共産党ばかり
西松建設の二つのダミー団体から五億円近い資金が自民・民主両党の十数人の国会議員に渡っていた違法献金疑惑。他のゼネコンからの偽装献金も指摘されるなど、大規模な疑惑の構図がとりざたされています。本来なら、国政上の重大問題として解明にあたるべきなのに、「西松献金だんまり国会―自民・民主質問なし」(「朝日」十二日付)とやゆされる始末です。一体どうなっているのか―。
自民・民主両党は、西松献金疑惑を国会審議の場でほとんど取り上げていません。
民主党は、九日の参院予算委員会で、“捜査が自民党側には及ばない”という発言をした漆間巌官房副長官を追及したものの、西松献金問題そのものには、ほとんど“沈黙”状態でした。
十三日の衆院経済産業委員会で民主党の古川元久議員が二階俊博経産相を追及し、「民主が追及を解禁」(「東京」十四日付)と書かれました。とはいえ、その理由は「このまま沈黙を続ければ『民主党は腰が引けている』との印象を与えかねないと判断」したためと指摘されています。
対する自民党にも、献金疑惑を国会で取り上げる議員はいません。答弁する麻生太郎首相らも、閣内に疑惑の中心の一人、二階経産相を抱えているにもかかわらず、「個別の事案についてはコメントしない」と述べるなど、真相解明に乗り出す姿勢はまったく見せません。
日本共産党の志位和夫委員長は十二日の記者会見で「『二大政党』は、そろって政党ぐるみで疑惑隠しを行っている」と厳しく批判し、両党の自浄努力を求めました。
日本共産党は参院予算委で西松献金問題での集中審議を要求。九日の同委員会理事懇談会で、民主党が「政治と宗教」の集中審議を求め、同党内からも「ズレてるなあ」との声が上がったのと対照的です。
十一日には井上哲士参院議員が予算委員会で、二階氏が西松のダミー団体と十四年前からつながりがあることを告発し、ダミー団体と西松本社との関係を「知らないはずがない」と追及。「この日、質問に立った民主3人、自民2人を含む9人のうち、西松建設と政界をめぐる疑惑を取り上げたのは井上氏だけだ」(前出「朝日」)と報じられました。
同記事は「共産党は6日にも小池晃氏が…二階経産相を厳しく追及」と報道。西松のダミー団体が二階氏政治グループのパーティー券を購入していた問題を小池政策委員長が追及したことを紹介しています。「日経」七日付は、この質問に関連した記事を四本掲載しました。
このほかにも、九日の参院予算委で山下芳生議員が、十三日の衆院経済産業委員会で吉井英勝議員が、それぞれ疑惑を追及しています。