2009年3月15日(日)「しんぶん赤旗」
「西松マネー」途切れなく
小沢氏側に1.9億円
自民本部に1.8億円
ゼネコン汚職後も12年間
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、同社の企業献金であることを隠すためのダミー(隠れみの)政治団体をつくった一九九五年以降、解散するまでの二〇〇六年までの十二年間にわたって、民主党の小沢一郎代表側に、途切れなく同社側の献金がなされ、その総額は一億九千万円を超すことが本紙の調べで分かりました。一方、二階俊博経済産業相側には、約二千三百万円を提供。また、自民党本部の政治資金団体「国民政治協会」には、西松建設本体から同時期に約一億八千万円が献金されていました。
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小沢氏は、自民党の最大の金権派閥として、政界支配をした旧田中派の直系で、“建設族のドン”といわれた金丸信・元自民党副総裁の巨額脱税事件を発端として、一九九三年にゼネコン汚職事件が発覚。同副総裁が失脚したあと、その地位を引き継ぎました。
鹿島、大林組、大成建設などゼネコン各社を総なめした同事件への国民の批判の高まりのなかで、西松建設はОBを代表にしたダミーの政治団体「新政治問題研究会」(九五年)、「未来産業研究会」(九九年)を相次いで設立、ともに二〇〇六年に解散するまで、あわせて約四億八千万円のカネを自民、民主の政治家などにばらまいてきました。
政治資金収支報告書によると、新政治問題研究会は、小沢氏が新進党党首になった九五年から、同党の政治資金団体「改革国民会議」に献金を開始しています。同氏らが自由党を結成した九八年から民主党と合併する前年の〇二年まで、自由党の政治資金団体「改革国民会議」にも、未来産業研究会とともに献金しました。この間の献金額は、新政治問題研究会六千百万円、未来産業研究会七百万円です。
小沢氏率いる自由党が〇〇年、自民、公明両党との連立から離脱すると、同氏が支部長の「自由党岩手県第4区総支部」「民主党岩手県第4区総支部」は二つのダミー政治団体から献金を受け取るように。〇六年までで、新政治問題研究会二千百万円、未来産業研究会八百万円です。
〇三年からは、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が計二千百万円、同氏が最高顧問の「民主党岩手県連」が計二千九百万円、それぞれダミー政治団体から献金を受け取っています。
このほか、西松建設が九五年から九九年までに計約五千二百万円を献金。同社の100%子会社「松栄不動産」も「改革国民会議」や「民主党岩手県第4総支部」などに献金しており、西松側から、小沢氏側への資金提供は、一億九千二百三十五万八千円に上りました。
一方、自民党の国民政治協会は、西松建設本体から、九五―〇六年に計一億七千九百七十三万七千六百円の献金を受け取っているほか、〇三年には新政治問題研究会から五百万円の献金がありました。
二階氏側には2千284万円余
二階経産相側には、これまで、(1)同氏が率いる派閥の政治団体「新しい波」に、二つのダミー政治団体がパーティー券八百三十八万円分購入(2)二階氏の政党支部への西松建設社員・家族名義を借りた献金六百万円(3)二階氏の資金管理団体に新政治問題研究会が七百八十万円献金(4)関連政治団体「関西新風会」のパーティー券三十万円分―の資金提供がわかっています。
二階氏は〇〇年四月、小沢氏とたもとをわかち、自由党を離れ、保守党の結党に加わりましたが、同党の政治資金団体「保守政治協会」は、〇〇―〇二年に計三百三十六万円を西松建設から受け取っていました。
二階氏側への、西松側からの資金提供は、九五年から〇六年までに二千二百八十四万円になりました。〇七年分を合わせると二千五百八十四万円になります。
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