2009年3月14日(土)「しんぶん赤旗」
B型肝炎 41人が追加提訴
国の集団予防接種の際の注射器使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したとして、被害者らが国に損害賠償を求め集団提訴しているB型肝炎訴訟で十三日、東京、大阪、北海道、福岡など七地裁で四十一人が追加提訴しました。これまで提訴した二百三十九人とあわせ、九地裁で合計二百八十人になります。
原告の一人、四十歳代の自営業の男性は、からだがきつく、週四日働くのが精いっぱいでした。大学病院で検査の結果、「このままでは肝硬変で命をとられますよ」といわれました。仕事量も減っていたため、赤字経営となり、預金もありませんでした。両親も年金生活のうえ、介護と治療費も必要で、男性の治療費ねん出も困難な状況で、病院に行くこともできません。
役所に生活保護の相談をしましたが、両親の年金収入と持ち家を理由に相手にされませんでした。
男性は「この先とても不安です。国は困っている人に手をさしのべてくれないのでしょうか」と訴えています。
B型肝炎 B型肝炎ウイルスに感染することによって発症する肝炎。慢性化して、長期化すると、肝硬変、肝がんに進行する場合があります。B型肝炎ウイルスは一九七三年に発見され、血液を介して人から人に感染します。日常生活では感染しません。予防法としては、血液が付着しているものに触らないこと、医療器具など血液付着のおそれのある器具の加熱滅菌、煮沸消毒や廃棄が必要です。
■関連キーワード