2009年3月14日(土)「しんぶん赤旗」

主張

違法献金疑惑

自民も民主も責任が問われる


 準大手ゼネコン「西松建設」の政治団体を使った“偽装”献金など違法献金疑惑は、公設第一秘書が逮捕された小沢一郎民主党代表や巨額のパーティー券購入が明らかになった二階俊博経済産業相にとどまらず、自民、民主の多くの政治家の関与が明らかになり、「西松」以外のゼネコンにも同様の疑惑が広がっています。

 疑惑を指摘された当の小沢氏や二階氏が自ら国民に納得のいく説明をするのはもちろん、自民、民主両党も政党としての自浄努力を尽くし、真相の究明と再発の防止に取り組む責任があります。

政党としての自浄努力を

 日本共産党の志位和夫委員長は十二日の記者会見で、ことは「国民の税金が政治家に還流していた」問題であることを厳しく批判しました。小沢氏や二階氏はもちろん、自民党や民主党自体も、まともな調査もしないで口をつぐむなどというのは、国民に責任を負う立場にある政治家や政党として絶対に許されない問題です。

 小沢氏にかかわる疑惑について民主党は、「潔白」を主張する「代表の思いが国民に伝わるよう頑張っていきたい」(鳩山由紀夫幹事長)などとするだけで、党として積極的に調査することも、小沢氏の責任を追及することもしていません。一方、自民党も、閣僚の一員である二階氏にかかわる疑惑についてさえ、任命権者である麻生太郎首相自身が「新聞情報にいちいちコメントしない。調査しない」と国会で答弁するなど、真相を究明しようとしていません。

 党として調査もしないで、どうして「潔白」などという主張を信じることができるのか。小沢氏や二階氏本人に問いただすぐらいのことはすぐできます。その気になれば政治資金収支報告を調べたり関係者に聞くこともできます。それもしないですまそうというのは、政党として国民に対する責任を果たしていないことになります。

 「西松」から小沢氏に渡ったのは、政治団体を“偽装”した企業献金や党支部への献金など、数億円に上っています。二階氏に渡ったのも、パーティー券代や献金など数千万円に上っています。営利が目的の企業の献金は、見返りを期待するからこそ行われるものです。「西松」は献金と引き換えに、小沢氏の地元である岩手県など東北地方や、二階氏の地元である和歌山県内で、公共事業の受注を確保したと、マスメディアなどで公然と指摘されています。国民の税金が政治家に還流していた疑惑は濃厚です。

 しかも疑惑は二人にとどまらず、自民党でいえば森喜朗元首相や尾身幸次元財務相ら、民主党では山岡賢次国対委員長など多数に上っています。個々の議員に任せるだけでなく党として疑惑の全容を解明することが不可欠です。

自らの禁止公約に反して

 見過ごせないのは、民主党は公共事業受注企業からの献金禁止を公約に掲げながら、小沢氏らはそれにさえ反して、「西松」などからの献金を受け取り続けていたことです。民主党は政党としてこのことにどう決着をつけるのか。対応が国民から問われています。

 違法献金疑惑が明らかになって以降、どの世論調査でも、国民の強い怒りと政治への不信が示されています。国民の声にこたえるためにも、自民、民主両党は政党の責任で疑惑を解明すべきです。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp