2009年3月13日(金)「しんぶん赤旗」
二階氏パーティー券購入
西松ダミー政治団体上限違法額も
150万円超が3回
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)のダミー(隠れみの)政治団体は、自民党の二階俊博経済産業相率いる政治団体「新しい波」(二階派)が二〇〇四―〇六年に開いた計七回の資金集めパーティー券を購入していますが、うち三回が政治資金規正法が定めるパーティー券購入の上限規制に抵触している可能性が本紙の調べでわかりました。
政治資金規正法は、一つの団体(企業を含む)・個人が一回のパーティーで購入できるパーティー券の上限を百五十万円と規定しています。パーティーを開催する側も、一回のパーティーで同じ団体・個人から百五十万円を超すパーティー券代を受け取れません。違反すると、購入する側、販売する側の双方とも五十万円以下の罰金が科せられます。
「新しい波」の政治資金収支報告書によると、〇四年五月三十一日に名古屋市で開いた「トップセミナーin愛知」から、〇六年八月九日に東京都千代田区で開いた「躍進の集いin東京」まで、計七回、計八百三十八万円分のパーティー券を西松建設ОBが代表を務めるダミー政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」に購入してもらっています。
このうち、〇五年十二月の「躍進の集いin東京」、〇六年六月の「トップセミナーin愛知」、〇六年八月の「躍進の集いin東京」の三回が、二つのダミー政治団体で購入した分を合わせると、百五十万円を超しています。
二つのダミー政治団体は、西松建設が献金など同社からの資金提供であることを隠すために、前社長の国沢幹雄容疑者(70)が考案し、同社の営業管理部長を務めたОBを代表に設立されたもの。西松建設は、二つのダミー政治団体が別々に「新しい波」のパーティー券を買った形にして、政治資金規正法の上限逃れを図った可能性があります。
関係を承知か
二階氏の側も、十一日の参院予算委員会で日本共産党の井上哲士議員がただしたように、「新政治問題研究会」の設立当初から献金を受け取るなど、ダミー政治団体と西松建設との関係を承知していたとみられます。
二階氏側への資金提供は、資金管理団体への献金(七百八十万円)、「関西新風会」のパーティー券購入(三十万円)、二階氏の政党支部への「西松」社員・家族名義を借りた献金(六百万円)を含め、二千二百四十八万円にのぼっています。
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