2009年3月13日(金)「しんぶん赤旗」
「西松献金」
疑惑の言い訳 まったく同じ
西松建設の違法献金疑惑が指摘されている二階俊博経済産業相と小沢一郎民主党代表がさまざまな言い訳をしています。日本共産党の志位和夫委員長が十二日の記者会見で指摘したように、「両者の言い訳はまったく同じ」です。
言い訳の第一は、ダミーの政治団体から多額のパーティー券代・献金を受け取った事実は認めつつ、その原資について「(資金元は)知らない」「いちいちせんさくしない」と疑惑解明に背を向けている点です。志位氏が指摘したように、「多額の金をもらって、『知らなかった』ではすまない」問題です。
第二は、「単に政治資金収支報告書の処理の認識の違いだ」(小沢氏)などと事務的な問題にすりかえようとしている点です。
しかし、公共事業を受注していた西松建設の「偽装献金」は形を変えた税金の還流であり、単なる“形式犯”で済ませられません。
第三は、“個別・詳細のことは関係者、秘書にまかせていたので自分は知らない”としている点です。
「本来、出入りする金銭について詳細に把握し、チェックすることは大事だ」(二階氏)、「会計責任者への監督責任は私にある」(小沢氏)というなら、政治家自ら疑惑を明らかにする責任があります。
両氏とも、疑惑を突きつけられながら、「経済対策を進めるため職務をこなしたい」(二階氏)、「国民主導の政治行政、議会制民主主義の定着の実現」(小沢氏)などといっています。しかし、自らの説明責任を果たさず、企業との癒着をそのままにして、こうしたことを語る資格はありません。
小沢一郎民主党代表
●(ダミー政治団体の献金について)何らやましい点はない。西松建設からの企業献金という認識に立っていれば、政党支部で受領すれば何の問題もない(4日の記者会見)
●個別のことは秘書に任せており、個々の一つひとつの献金のことはわからない。政治団体のお金がどのような形で集められたのかせんさくすることはありえない(6日、党本部で記者団に)
●献金は大勢の方からいただいているから、個別の献金のことは私は報告を受けておらず、わからない。一般論として、献金してくれる方に、今年もよろしくお願いしますと文書でお願いしていることは知っている。これは社会通念的にもごくごく自然のことだ(7日、党本部で記者団に)
●国民主導の政治・行政、議会制民主主義の定着の大目標を達成したい。(今回の問題は)単に政治資金収支報告書の処理の認識の違いだ。(ダミー政治団体から)献金をいただいていることも知らなかった。どういう団体かも知らない(10日の記者会見)
二階俊博経産相
●(ダミー政治団体のパーティー券購入について)違法性は全くない。特別な捜査を受けるいわれはない(6日の記者会見)
●一体何の政治団体か、だれがやっているかとせんさくし、いちいち調べたことはない(6日の参院予算委員会)
●政治資金規正法にのっとって報告をしている。西松建設側からそういう資金を受け取った記憶はない(9日の参院予算委員会)
●いま与えられた仕事に全力を尽くすことが使命だ。職務は今まで通り淡々とこなし、責任を果たしていきたい(9日、記者団に)
●(二階氏が代表を務める政党支部の口座に西松建設が社員や家族名義で300万円を振り込んだことについて)詳細を承知していない。関係者にお任せして適正に対応してくれていると信じている(10日の記者会見)
●(西松建設とダミー団体との関係について)知らないものは知らない(11日の参院予算委)