2009年3月12日(木)「しんぶん赤旗」
出稼ぎ1100万人失業
中国担当相「雇用、厳しい」
【北京=山田俊英】中国政府で雇用問題を担当する尹蔚民(いんいみん)人事社会保障相は十日の記者会見で、二月の春節(旧正月)明け後、いまだに職に就けない出稼ぎ労働者(農民工)が千百万人に上ることを明らかにし、雇用情勢の厳しさを強調しました。
尹氏によると、省外へ出稼ぎする農民工は昨年末時点で一億四千万人。春節前、帰郷する農民工は例年、全体の四割程度ですが、今年は半数の七千万人が帰郷。春節後、五千六百万人が都市に戻りましたが、再び職に就けたのは四千五百万人でした。
また、昨年十月以降、約40%の企業が人員を減らし、削減数は全体の5%にあたる三百万人でした。
尹氏は、都市部で毎年二千四百万人が求職するものの、職に就ける人は例年でも千二百万人しかないことを紹介。農村の余剰労働力は一億人に上ることも挙げ、「人口十三億の途上国である中国の雇用問題は非常に難しく、金融危機の影響で厳しさを増している」と危機感を示しました。
一方、都市部の新規就業者数は昨年十一月と十二月は前月比で減ったものの、一、二月は増加に転じたことを明らかにしました。
「政策が初歩的な効果をあげた」と評価しましたが、「これだけで雇用情勢が好転したとは言えない」と慎重な見方を示しました。
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