2009年3月12日(木)「しんぶん赤旗」
子どもホームレス 全米で150万人以上
50人に1人の割合
大銀行救済の一方 窮状放置
NGOが報告書
全米家族ホームレスネスセンターは十日、報告書を発表、米国では五十人に一人の子どもがホームレスになっているとして連邦政府や州政府、地方自治体の対策の強化を求めました。(夏目雅至)
同センターは二〇〇五―〇六年のデータを分析、全米でホームレスになっている子どもを百五十万人以上と推定しました。同センターのエレン・バサック会長は、「この数字は、住宅抵当流れが増加している中でさらに増加しそうだ」と語りました。
報告によると、ホームレスの子どもの75%は、テキサス、ジョージア、アーカンソー、ニューメキシコ、ルイジアナなど十一州に集中しています。報告は、(1)ホームレスの子どもの42%は六歳未満(2)黒人、先住アメリカ人の子どもに多い(3)ホームレスの子どもの七人に一人以上がぜん息などの重篤な病気にかかっている(4)百十六万人が高校を卒業できない―などの事例を挙げています。
報告は、銀行・自動車大企業などが救済され、資金を注入されている中で、「まだ乳飲み子やよちよち歩きの多くの子どもがホームレスになっていることが無視されている」と指摘しています。
全米家族ホームレスネスセンターは報告書のなかで、「地方自治体、州、連邦政府が目的意識的に予算配分を変えれば、子どものホームレスは十年以内に解消できる」と主張。低収入世帯のための賃貸住宅を向こう二年間で十万戸建設するなどの打開策を提案しています。
全米家族ホームレスネスセンターは一九八八年にホームレス支援のために設立された非政府組織(NGO)です。
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