2009年3月12日(木)「しんぶん赤旗」
小沢氏への「西松」マネー
公共事業受注企業の献金禁止
民主の公約、党首が破る
西松建設からの違法献金疑惑で民主党は、十日の常任幹事会で小沢一郎代表になんら疑惑への説明を求めることもなく、事実上続投を了承しました。「政治とカネ」の問題で、同党の自浄能力が問われています。
小沢代表や民主党幹部は、「(献金元が)西松と分かっていたら政党支部に計上した」などと開き直り続けています。
しかし、民主党は二〇〇二年、〇四年、〇五年に「公共事業受注企業からの献金禁止」を内容とする法案を提出してきました。(〇二年は日本共産党との共同提案)
〇四年、〇五年の「マニフェスト」(政権公約、岡田克也代表)では「公共事業受注企業からの政治献金を全面禁止」するとしていました。こうした献金は「税金の還流であり、政官業の癒着の温床になっている」という理由によるものです。
また、〇三年四月一日付の第238回常任幹事会決定「企業団体献金など政治資金の取り扱いについて」(岡田克也幹事長)では、「(法改正を)待つことなく、他党に先駆けて党の政治資金等の取扱いについて現行法より厳しい基準による制限等を党独自に導入する」とし、公共事業受注企業からの献金制限を決めています。
迂回の禁止も
この通達では、「企業団体献金については、将来的には制限ないし禁止すべきであると考える」と表明。「公共事業受注企業からの献金受領を自粛する…当面いわゆる大手・準大手等の総合建設会社(ゼネコン、日本建設業団体連合会加盟63社)を対象とする」としていました。西松建設はもちろん同連合会加盟団体の準大手ゼネコンです。
小沢氏や鳩山由紀夫幹事長は「西松とわかっていたら政党支部で計上したはず」と繰り返します。しかし、〇五年「マニフェスト」では「政治家と業界団体との癒着構造を隠し、法の規制を逃れるために政党や政治資金団体を介在させて寄付を行う、いわゆる『迂回献金』を禁止します」としていました。「政党支部での受け取り」こそ「法の規制を逃れるための迂回献金」です。
こうした民主党自身の立場に照らせば、西松建設からの献金受領に何の問題もないという小沢氏の言動は、国民との約束を踏みにじるものです。
国民あきれる
小沢氏は、十日の記者会見で「ほとんどの会社が国からの発注を受けて納品している」と述べ、公共事業受注企業からの献金禁止に否定的な見解を示しました。
しかし、ゼネコンなどの公共事業受注企業からの献金を容認するなら、これまでの自民党政治と同類であることを自ら証明するだけです。マスメディアも、「『古い自民』の象徴とされる政官業の癒着打破を旗印に掲げながら、党首サイドとゼネコンの関係が疑われる事態に多くの国民はあきれている。本質はここだ」(「東京」十日付社説)と指摘しています。
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