2009年3月11日(水)「しんぶん赤旗」
西松ダミー所在地
本社住所記載
両社は一体と認識?
自民元議員
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、自民党参院議員(当時)が代表の政党支部が、西松建設ОBが設立した同社の企業献金であることを隠すためのダミー政治団体から三百万円の献金を受け取りながら、西松建設の本社住所で届け出ていたことが本紙の調べでわかりました。
この政党支部は、「自民党東京都参議院比例区第十一支部」。旧運輸省総務審議官から二〇〇一年の参院選比例区で初当選した藤野公孝参院議員が支部長でした。国土交通政務官、参院自民党副幹事長などを歴任しましたが、〇七年の参院選で落選しました。
同支部の政治資金収支報告書によると、〇五年六月、同十二月、〇六年六月の計三回、西松建設のダミー政治団体の一つ、「新政治問題研究会」から各百万円、計三百万円をもらっています。
ところが、新政治問題研究会の住所を「東京都千代田区平河町」ではなく、西松建設本社所在地の「東京都港区虎ノ門1の20の10」と記載。〇七年九月に「訂正」していました。
これは、自民党の政治資金団体「国民政治協会」が、〇三年に新政治問題研究会から受け取った五百万円の献金について、住所を「西松」の住所で報告していたのと同じです。日本共産党の小池晃議員が六日の参院予算委員会で追及したように、新政治問題研究会の献金を受け取る側が、ダミー政治団体を西松建設と一体のものと認識していたことがうかがえます。
小沢氏側は2団体混同
民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」は、政治資金収支報告書で、西松建設の二つのダミー(隠れみの)政治団体、「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)の代表を間違えて報告していました。
新政研の代表は風間森夫氏、未来研の代表は神田行道氏です。ともに西松建設の営業管理部長を務めたОBで、西松建設の100%子会社「松栄不動産」の役員も務めました。
ところが、陸山会の〇五年、〇六年の政治資金収支報告書によると、新政研の代表を「神田行道」としていました。未来研の代表は「風間森男」とする“おまけ”つきでした。
一方、ダミー政治団体に計八百三十八万円分のパーティー券を買ってもらっていた二階俊博経済産業相が率いる政治団体「新しい波」の政治資金収支報告書では、〇五年、〇六年とも未来研の代表を「神田行動」としていました。
さらに、〇六年八月に開催した「躍進の集いin東京」のパーティー券百万円分を購入してもらった「新政治問題研究会」を「新政治問題研究所」に、同じく六十万円分購入してもらった「未来産業研究会」を「未来産業研究所」に、それぞれ誤記していました。
これらは、小沢氏側、二階氏側とも政治資金処理のいいかげんさを浮き彫りにするものです。