2009年3月10日(火)「しんぶん赤旗」
原爆症
速やかな認定審査を
東京 被爆者21人異議申し立て
原爆症の認定申請を厚生労働省が審査せず長期間、放置している問題で、東京都在住の被爆者二十一人が九日、行政不服審査法に基づいて、厚労相にすみやかな審査を求める不作為の異議申し立てを、東京都を通じておこないました。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がよびかけているものです。
申し立てたのは、九区七市に在住する六十三歳から八十九歳までの被爆者で、申請日から最長で三年五カ月間、未審査となっています。申請病名はがん、白血病、白内障、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞、甲状腺機能低下症、肝炎などです。
この日、申し立てた本人五人を含む十八人の被爆者が都庁を訪れ、都福祉保健局保健政策部疾病対策課の笹井敬子課長に異議申立書を手渡しました。
白内障での認定申請で申し立てた男性(76)=三鷹市=は「十三歳のときに広島で被爆しました。申請からもう二年半待たされています。二・二キロメートルでの被爆は積極的認定の範囲なので、とっくに認定されていいはず」と訴えました。
東京都原爆被害者団体協議会(東友会)の飯田マリ子会長は「これ以上は待てません。申し立てた被爆者は重篤で、都庁まで来られない人が多い」と語りました。
六日には千葉県で五人が異議申し立てをおこない、昨年十二月からの申し立て人数は二百二十四人となりました。十六日には兵庫県で十五人が申し立てる予定。現在、厚労省では約八千件の申請が未処分となっています。
原爆症認定問題をめぐっては、集団訴訟の千葉訴訟控訴審判決が三月十二日にだされるのを皮切りに、五月にかけて高裁、地裁判決が予定されており、全面解決に向けたヤマ場を迎えます。
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