2009年3月10日(火)「しんぶん赤旗」
「西松献金」 二階氏780万
ダミー団体設立時から関係
違法献金事件で問題になっている準大手ゼネコン「西松建設」のダミー(隠れみの)政治団体から、二階俊博経済産業相の資金管理団体が計七百八十万円の献金を受けていたことが九日、本紙の調べでわかりました。民主党・小沢一郎代表の資金管理団体の違法献金事件と同様に、二階氏側が受けた献金も政治資金規正法に抵触していた疑いがあります。
西松建設OBが代表を務める政治団体「新政治問題研究会」(東京都千代田区)から献金を受け取っていたのは、二階氏の資金管理団体「新政経研究会」(同区)です。
政治資金収支報告書によると献金は、一九九五年に百八十万円、九七年に三百万円、九八年に三百万円の三回で計七百八十万円になります。
政治資金規正法は、一九七五年から他人名義での献金を禁じています。
資金管理団体への企業献金が全面禁止になったのは二〇〇〇年からですが、二階氏側が献金を受け取った当時も一社五十万円までに制限されていました。政治団体を使うことによって、五十万円を超えた献金を受け取ることができたことになります。
二階氏側が、ダミー政治団体からの献金が事実上の西松建設からの企業献金であると認識しながら政治資金収支報告書に記載した場合は、虚偽記載にあたります。
「新政治問題研究会」は、九五年十一月に設立。その当初から二階氏は献金を受ける関係にあったことになります。
二階氏は、献金を受けた当時、新進党、自由党に所属。新進党選対局長などを務め、小沢氏の側近でした。
西松建設のダミー政治団体からの献金をめぐっては、二階氏の政治団体(派閥)が〇六年までの三年間で、計八百三十八万円分のパーティー券を購入してもらっていたことが判明。直接の献金と合わせると千六百十八万円にのぼります。
本紙の取材にたいし二階氏側は、「他党の機関紙誌からの質問には回答していない」(国会事務所)としています。