2009年3月10日(火)「しんぶん赤旗」

子どもの貧困

就学援助縮小 国が是正を

学校に100円リコーダー 「気持ち分かるか」

参院予算委 山下議員が追及


 日本共産党の山下芳生議員は九日、参院予算委員会で、就学援助事業の縮小などで文房具を買うにもこと欠く子どもたちの実態を示し、「家庭の経済的困窮によって、子どもの発達や成長が阻害されてはならない」と麻生太郎首相らに迫りました。


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(写真)質問する山下芳生議員=9日、参院予算委

 企業の倒産やリストラなど親の経済状況が悪化するなか、義務教育の命綱である就学援助を受ける子どもは一九九七―二〇〇六年度の十年間で二倍に増加しています。ところが、小泉政権の「三位一体改革」では、〇五年以降、就学援助への国庫補助を廃止。国が責任を持たない一般財源化されました。

 山下氏は、「実態はどうなっているのか」と質問。文部科学省の金森越哉初等中等教育局長は、〇五年度では百五もの市町村教育委員会で、認定基準引き下げ、支給額減が行われたことを明らかにしました。

 山下氏は、〇五年に当時の中山成彬文科相が「市町村における事業が縮小することはない」と答弁していたことをあげ、「約束と違うではないか」と追及。〇六―〇八年には調査すらしていないことも厳しく批判しました。

 塩谷立文科相は、「各市町村の地域の実情に応じて、定めていると認識している」と述べ、市町村に責任転嫁をする答弁に終始しました。

 山下氏は、大阪では、リコーダーを百円ショップで買ってきて音が狂って合わない子どもがいる実態を突きつけて「子どもの気持ちが分かりますか」と述べ、経済的な理由で就学困難になる子どもが増えるなかでの就学援助の縮小を是正するよう重ねて求めました。

 塩谷氏は、「子どもが就学できるようしっかり対応していく」と述べました。

 また、山下氏は、「自立促進」という名のもと、生活保護の母子加算が四月から廃止されようとしている問題を追及。経済危機のなかで母子家庭の就職が困難になるなかでの廃止は、「自立促進どころか貧困化させるだけだ。逆行だ」と強調。廃止撤回を求めました。

【Movie】子どもの貧困 就学援助縮小・母子加算の廃止 山下議員が追及(09.3.9)



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