2009年3月9日(月)「しんぶん赤旗」
「公共工事受注の保険」
小沢氏側に献金の業者語る
岩手・奥州
準大手ゼネコン「西松建設」が、民主党の小沢一郎代表側に、二つのダミー(隠れみの)団体を使って違法な献金をしていた問題で、小沢氏の公設第一秘書大久保隆規容疑者(47)が政治資金規正法違反容疑で逮捕されて間もなく一週間。小沢代表の地元岩手県奥州市で小沢氏に献金していた建設業者らが、「小沢王国」とまでいわれた実態を語りました。(阿曽隆)
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県内でも国や県の大型公共工事を受注していた西松建設が、小沢氏側に違法な献金を繰り返していたことが明らかになり、小沢氏に献金し支えてきた地元建設業者の間でも動揺が広がっています。
小沢氏のポスターが街中に張り巡らされ「小沢一色」の奥州市。
「小沢さんの事務所の力は大きく無視できませんでした」
毎年小沢氏側に五十万円の企業献金を行っていた建設会社社長は重い口を開きます。国交省や岩手県の公共工事を中心に仕事をしていたこの社長は、「献金は公共工事を受注する上での保険のようなもの。自分だけ払わないことはできない」と明かします。
社長は小沢氏の選挙でも、他の建設業者とともに応援して走り回りました。
小沢氏が代表を務める地元の民主党岩手県第4区総支部の政治資金収支報告書をみると、献金の大半は公共工事を受注する建設関係の会社が占めています。
「小沢さんのところはお金に執着がありすぎる。気に入らない相手は排除される」というのは別の建設会社社長です。
この社長は、毎年約五十万円を小沢氏側に献金していました。しかし、不況になり献金を断るかどうか迷ったといいます。
そのころ、衆院議員会館で、大久保容疑者と偶然出会いました。「部屋にあいさつに来るようにいわれ、新幹線の時間を理由に断ったところ、露骨にいやな顔をされました」。その後、「私は、はじかれてしまった」といいます。
社長は強い口調でいいます。
「小沢代表は(献金は)合法だといっているが、尋常な金額ではない。それを毎年、額を決めて出させるなんて強要そのものではないか。真実はどうなのか、自らの口で明らかにしてほしい」