2009年3月7日(土)「しんぶん赤旗」
西松ダミー2団体
有り金大半 小沢氏側に
解散直前に500万円
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の違法献金疑惑で、企業献金を隠すために同社ОBが代表となってつくった二つのダミー(隠れみの)政治団体が、その解散直前に、有り金のほとんどを民主党の小沢一郎代表側に献金していたことが本紙の調べで分かりました。解散時の残金は二つの団体あわせてわずか八百八十九円でした。
ダミー政治団体の一つ、「新政治問題研究会」は、一九九五年十一月に設立、二〇〇六年十二月十五日に解散しています。
解散した年の〇六年の政治資金収支報告書によると、四月十八日に「新世紀政経懇談会」名目で開いたパーティー百八十万円と、「会費」(十三人から六十万円)がおもな収入。これに前年からの繰越金をくわえて、自民党二階派の名古屋(六月)と東京(七月)でのパーティー券計二百二十万円分、静岡県の石川嘉延知事が一月に開いた「新春時局講演会」名目のパーティー券五十万円分を買うなどしています。
「寄付・交付金」は、七団体に計九百万円。自民党の藤井孝男元運輸相の「藤井孝男後援会」に七月二十日に百万円、林幹雄幹事長代理が支部長の「自民党千葉県第10選挙区支部」に同二十一日に百万円を献金した後は、すべて小沢氏関連です。
小沢氏の資金管理団体「陸山会」が十月二十七日、小沢氏が支部長の「民主党岩手県第4区総支部」が同三十日、小沢氏が最高顧問の「民主党岩手県総支部連合会」が十一月二日。それぞれ百万円で、いずれも解散直前です。
一方、九九年六月に設立し、〇六年十一月三十日に解散した、もう一つのダミー政治団体は「未来産業研究会」。
こちらは、〇六年の政治資金収支報告書によると、「会費」収入はゼロです。「フォーラム日本21」というパーティーの収入百七十万円と前年からの繰越金で、二階派の二回のパーティー券百二十万円分、自民党の古賀誠元幹事長のパーティー券十六万円分などを購入しています。
「寄付・交付金」は、解散直前の十月二十五日に「民主党岩手県第4区総支部」、同三十日に「民主党岩手県総支部連合会」、それぞれ百万円の二件だけ。
解散後、二つのダミー政治団体の手元に残った金は、それぞれ二百九円、六百八十円でした。解散直前、有り金をはきだして、計五百万円を小沢氏側に、献金したことがうかがえます。