2009年3月7日(土)「しんぶん赤旗」
NATO外相会議
対ロ関係正常化へ
アフガン協力を“期待”
【ロンドン=小玉純一】米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は五日、ブリュッセルで外相会議を開き、ロシアとの関係を正常化することで正式に合意しました。
NATOは昨年夏、グルジアへのロシア軍侵攻に抗議して、双方の協議の枠組みである「NATO・ロシア理事会(NRC)」を凍結していました。NATOのデホープスヘッフェル事務総長は「四月のNATO首脳会議後早期に、閣僚レベルも含めてNRCを再開することで合意した」と述べました。ロシアのNATO大使は「積極的な決定だ」と評価しました。
クリントン米国務長官は会見で「アフガニスタンへの援助を含め、ロシアと建設的に協力する道を見いださなければならない」と述べ、アフガンでのタリバン勢力とのたたかいでロシアの支援に期待を示しました。
ロシアはNATO外相会議を前に、アフガン行きの米軍物資の通過を許可すると発表していました。アフガンへの軍事物資供給はパキスタンで武装勢力の襲撃を受けており、NATOはロシア領空を通過する空輸許可も得たい考えです。
中央アジアのキルギスが国内の米軍基地閉鎖を決定したため、NATOはロシアの協力を得てNATO軍が使える代替地を維持したい意向です。
クリントン氏はロシアとの「新しい出発」を求める一方、ロシアが強く反対するグルジアとウクライナのNATO加盟を支援する考えも表明しました。
クリントン氏は六日、ジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談します。オバマ政権発足後初の米ロ外相会談となります。