2009年3月6日(金)「しんぶん赤旗」
西松受注、大半が随意
小沢氏地元 岩手県の公共工事
総計193億円契約
民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる違法献金事件で、小沢氏側に献金していた準大手ゼネコン「西松建設」が、同氏の地元・岩手県の発注公共工事でも多くの工事を受注し、その大半が競争入札を経ない随意契約であることが五日、本紙の調べでわかりました。(阿曽隆)
岩手県発注工事で、西松建設が元請けとなり、JV(共同企業体)で受注していたのは、一九九六年から二〇〇三年までの八年間で合計十三件です。最終契約額では、総計約百九十三億四百三十五万円にのぼります。
十三件のうち八件が、競争入札を行わずに契約する随意契約で占められていました。
随意契約の工事は、ほとんどが億単位のもの。防災ダム事業根石地区の二つの工事では、計約三十億円分が随意契約です。
花巻空港関連では、〇二―〇三年にかけ七件で約六十五億円の工事を受注していますが、一般競争入札は一件のみです。
公共工事の入札は、一般競争入札が原則とされます。地方自治法でも随意契約ができる場合を、施行令で「競争入札に付することが不利と認められるとき」などと例外的なものとしています。岩手県の入札制度でも一億円以上の工事は一般競争入札が原則(〇七年からはすべて一般競争入札に変更)になっていました。
このほか西松建設が岩手県内で受注した大型公共事業は、〇六年に国土交通省東北地方整備局が発注した大型ダム・胆沢ダム関連工事(岩手県奥州市・九十五億五千万円)などもあります。
随意契約が多いことについて本紙の取材に岩手県の担当者は、「地方自治法の施行令にのっとって行っている」としています。
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