2009年3月5日(木)「しんぶん赤旗」

「給付金」再議決、成立

塩川議員が反対討論 「世論を無視」

衆院本会議


写真

(写真)反対討論にたつ塩川議員=4日、衆院本会議

 自民・公明の与党は四日の衆院本会議で、二〇〇八年度第二次補正予算関連法案の一つで「定額給付金」の財源を確保するための財源特例法案を三分の二の賛成多数で再議決し、同法は成立しました。

 同法案は同日午前の参院本会議で日本共産党を含む野党の反対多数で否決されました。衆参両院の議決が異なったことから、直ちに衆院に返付されました。

 参院で否決された法案が衆院で再議決されるのは、昨年十二月の新テロ特措法改定案に続き五件目です。

 衆院本会議で日本共産党の塩川てつや議員は、三分の二の数の力で再議決する与党の動議に反対する討論に立ちました。世論の七―八割が「定額給付金」に反対していることをあげ、「国民の声を反映し、参議院の否決を真摯(しんし)に受け止めることだ」と述べ、数の力だけで再議決を推し進める与党を批判しました。

 衆院本会議では、自民党の小泉純一郎元首相が欠席し、同氏の秘書官を務めた小野次郎議員は途中退席し棄権しました。

 参院本会議では財源を「定額給付金」に使えないよう定める財源特例法の対案(民主、社民、国民新の提出)が、日本共産党も含む野党の賛成多数で可決されました。対案は衆院に送られましたが、与党は審議せずに廃案にする方針です。


 再議決 国会に出された法案は、衆参両院で議決が異なった場合は原則として成立しません(憲法五九条一項)。その例外の一つが、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再議決することです(同二項)。予算については、憲法は、衆議院と参議院の議決が異なった場合、衆議院の議決を優先することを明記しています。



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